誰かがいること
私はあまり器用ではない。何をするにも時間がかかる。効率やスピードといった言葉とは程遠い性格をしている。さらに完璧主義という、非常にややこしい人間だ。
普段、あらかじめ(知らず知らずのうちに)設定した理想に追いつけない自分を嘆いたり、悲しんだりすることが多い。もっとこうするべきだった、こうでありたいのに、と思い悩むことがよくある。お風呂で湯船に浸かる時間は、私の1日の反省会のためにある。そしてこれらの悶々とした思いを周りに聞かせるのは憚られる。私は仕事で必要なとき以外、自分の考えていることを他人に話す機会はほとんどなかった。
夫と暮らすようになり、家で悶々としているわけにもいかないので、自分が疲れている理由、気が晴れない理由、考えていることなどを訥々と語るようになった。言葉にすると、不思議と落ち着き、解決したような気持ちになった。1人の思考の中では色んなことを闇雲に掴んで考えていたのが、言葉にすることで整理がついたのだろう。そして1人で考え事をすることが減った。お風呂ではいまだに終わりのない大反省会が繰り広げられているのだが…
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1人で考え事をしたり、黙々と何かに取り組んだりすることはとても好きだ。おそらく私は1人の時間がないとダメになるタイプだ。でも、誰かがいることで、救われることもたくさんあると知った。
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