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日記

 うつになってからというもの、自分のコンディションに敏感になった。ここ半年ほどは落ち着いていて、内服薬も減らしたりしていたのだが、最近どうも調子が悪い。年度始めの雑然とした雰囲気にやられたのか、季節の変わり目だからなのか。
 
 私の「調子が悪い」とは、色んなことに過敏になる(相手のちょっとした言葉や態度とか、騒音とか気温差とか)、熟睡感がない、余裕がなくなって感情的になる、集中力がなくなってちょっとした忘れ物が増える、などなど。うつ治療4年目ともなると、こういう兆しが見え始めると「お?」と思い、休みに予定を入れずにずっと寝るとか、逆にずっと行きたかった場所に行く(できれば刺激の少ない自然があるところ)とか、お金を気にせず自炊をやめて外食に頼るとか、お風呂にゆっくり浸かるとか、何とか自分の機嫌を取りつつ調整するようになった。

 しかし今回はうまくいかなかった。本当に調子が悪くなってしまった。慌てて上司に報告し、「もしかしたら急に休みをくださいと言い始めるかもしれません」と伝えた。私が以前休職していたことを知っている上司は「何とか働き続けられるように環境を整えたいと思っているよ」と声をかけてくれた。なんとありがたいことだろう。話しただけで少し楽になった。

 結局、内服薬を増やさなければいけなくなってしまった。このまま内服治療を辞められるかもしれないと希望を持っていた矢先だったので、ショックだった。なぜこうなってしまったのか。

 先月は、私がうつになってからの話をまとめてみようと思っていた。油断ならない、あいつら(うつの症状)は懐かしいと思い始めた頃にやってくるのだ。恨めしい。

 というわけで、今は休日を自分の機嫌を取るためだけに過ごすように心がけている。最低限のメイクで日傘もささずに歩き、これでもかと春の日差しを浴びる。好きな本屋に行き、「今月何冊本買ってるんよ〜」という囁きを無視して今読みたい本を買う(本当にしんどいときは本も読めなくなり、自分が嫌になるので、今の時点で読めそうなやつを選ぶことが大事)。そして気の向くままに近くの神社に行って木のさざめきを聞く。お参りでとにかく世界中が平和であることを祈る。しばらく散歩をし、いい感じのカフェに入って買った本を読んでみる。帰ったら好きな入浴剤を入れてゆっくりと浸かる。洗い物や掃除は敢えてせずに寝る。

 うつが寛解するまでは、こうやって心が充電されるのを気長に待つしかない。


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