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2020年行った美術館まとめ7 「石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo-Eggs|宇宙の卵」

2020.7.23
アーティゾン美術館
「石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo-Eggs|宇宙の卵」

まず、美術館について。
旧ブリヂストン美術館であるアーティゾン美術館。リニューアル元年なのにこの状況ですが、もともと完全予約制システムを採用していたり(コロナのせいではなく、昨今の美術館の混雑具合に疑問をもって適正な人数で人々が絵画を鑑賞できることを目的)、高校生無料だったり、ジャムセッション(企画展と所蔵展を混ぜた展示など)、企画展から常設展まで流れで見せる動線、など新しいことをしよう、という気概が感じられる。
そもそも、認知度の高かった企業名美術館(しかもそれなりに好印象のあった)を捨てて名前まで変更した訳だ。相当な覚悟だと思う。
と、いう私もブリヂストン美術館時代は一度も訪れたことが無い。しかしリニューアル後は2度も行っている。こういう人間が少しずつ支持層を広げていけたらリニューアルは成功なんだろう。

さて5階の企画展は、最近話題の鴻池朋子さん。
獣の皮を縫い合わせた作品や日本画の様な屏風。ご本人の作品と対峙するアーティゾン所蔵作品とのジャムセッション。
ハンセン病の隔離病院があった島でのアートプロジェクトの話がものすごくグッときてケースにかじりついて読み込んでしまった。
読みながら、日本にはまだ発掘されてないか忘れ去られた、かつては人が一生懸命作った道があるのだろうなと気が遠くなった。

4階には2020年のベネチアビエンナーレ出品作品が。旧ブリヂストン美術館とベネチアビエンナーレの関わりは古く、日本の芸術を世界に、と初代ブリヂストン社長が支援していた。絵画をコレクションするだけでなく、広く日本の芸術を広める事にも60年以上貢献している。
現地の展示が国内で再現されるのもありがたいが、1番釘付けだったのは年表だった。
ビエンナーレ出品者とキュレーターが羅列された年表である。瀧口修造も自分の出身大学の教授名もあった。作者だけにフォーカス当てた年表じゃなく素晴らしいと思う。これ欲しい。 

やや、ヘトヘトになりつつ、3階の所蔵品展示室へ。ここには西洋美術館にも負けないコレクションが、ズラリ。個人的に好きなピカソのある絵がここに所蔵されているのを初めて知った。思わず早足で近寄った。わー…マジかーここに居たのかー!日本すげえな、これコレクションした石橋さんすごいな!と。
美術資料集の表紙を飾っていた絵だったのですよねー。
あの頃眺めてた資料集の本物とここで会うなんて思いもよらなかった。疲れも吹っ飛び思う存分いろんな角度から眺めて楽しんだ。

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