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【美術館めぐり2021】東京オペラシティアートギャラリー「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

2021.4.24
イギリス チェスター出身のライアン・ガンダーがオペラシティアートギャラリーのコレクションをキュレーションする企画。
自身の個展が中止になり、何か出来ないか、ということで開催された展覧会。

オペラシティアートギャラリーのコレクションは寺田コレクションと言われ、近現代の作品が中心。

で、通常の常設展示かと思いきや、ライアンの選んだ作品群は暗い展示室に並べられている。
それを懐中電灯で照らしながらみるという試み。

ボンヤリと浮かび上がる絵画や彫刻にライトを当てながら見る。
閉館後の警備員になった気分である。

大型の作品は暗闇からなかなか全貌が見出せない。ライトを当てて離れたり近づいたりしながら漸くわかる。
所々、彫刻があってボワッと浮かび上がる立体にギョッとする。

見ていくうちに一つ一つの作品をじっくり新鮮な気持ちで見れることに気がつく。
部屋に入った瞬間には全ての展示品がハッキリわからないからだ。

通常だと展示室に入った瞬間、目に入る作品というものがあって、勿論一つ一つ見てはいるけれど、自分が気になり始めている作品を見たい気持ちが逸り、無意識に「きになるもの」と「その他」扱いを目がしているのかもしれない。

「自分の見かた」に対する気づきが生まれた展覧会だった。

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