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【具体的に何なのか?】すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合

すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合 


建築は遠藤克彦氏



大阪中之島美術館 編
22年2月にオープンした中之島美術館。
構想から30年以上…紆余曲折あり過ぎてそれだけで話が長くなりそうですが、それは置いておいて。

今回は日本の現代美術を語る上でも外せない
「具体美術協会」通称「具体」。

もの派とかネオダダとか色々あった50年〜70年代日本美術を語る上で大きなポイントとしても度々目にしてきた。
芦屋で発足し、現在の中之島美術館と国立国際美術館に程近い場所を拠点としていた具体美術協会。

吉原治良氏といえば、これ。

同時代にはいわゆる反芸術、反会派美術的な流れがある中、具体は吉原治良を長とする師弟関係というか、ある1人の判断、審査基準で纏まった美術団体でありながら多様な表現が生まれたことがとても不思議に感じた。

無審査のアンデパンダンは真逆な方向性の様にも感じるが、表現を直接的に掴む、ということにおいては近いのかもしれない。
一つの技法や表現方法に留まらずさまざまな表現が生まれたのは吉原氏の人間的な魅力や嗅覚に依るところがあるのだろう。単なる流派にならなかった。
団体自体が「他者の真似はするな」と言う理念が一本筋で通っている。

各自治体美術館、具体作家の作品の収蔵は多く、今までも見てきている。

もーやん!こと元永定正氏。
先日の三重県立美術館で見た回顧展が良い予習になった。


だがしかし…よく分からないのが実情で。
これを見るにあたり、長谷川祐子氏の著書「ジャパノラマ」を読んで年表的な流れは掴んでいた。
が、具体として作られた作品を具体展としてまとめて見るのは初めてだ。
特に関西方面での活動が主だった団体のため、現地感のある大阪での展示は非常に興味深かった。(中之島美術館の紆余曲折も含みつつ)

中之島美術館では様々な表現が生まれたこと「分化」として展示。

ハイライトは…電気服でしょう、やはり。

これが見たかった訳で。
光る瞬間を見た。なんかちょっとクスッとしてしまうというか…周りで待ち構えていた人達もちょっと(ハハッ)ってなってしまうというか。
面白さって…こう言うことでも良いのだよな…と思わせてくれる。
ピカピカ光るものに人は無条件に惹きつけられる。
クリスマスツリーもライトアップも電気服も根底にあるものは一緒なのかもしれない。

あとね、田中敦子氏の「ベル」。
その轟音を展示室に響き渡らせたのは私です。
同じ時間に展示室に居た方、驚かせてすまない。

押しボタンを前にキョロキョロしてたら背後の係の方にニッコリ「どうぞ」と言われたから、つい…

すごい音がした。

その後も30分間隔ぐらいで
ジリリリリリリリリ
と展示室から鳴り響く音が聞こえてきた。
私と似たような好奇心を持った人が30分おきに現れたのだろう。
マスクの中でニヤニヤした。

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