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もっとうまくなるには、指導者との相性を考えてみる

スポーツやダンス、ヨガやピラティス、トレーニングなどなど、趣味であったり、アスリートであったり、学ぶ理由はいろいろだと思うけれど、誰しもが恐らく一度は悩むのは

どうしたらここから上達するのか…

ということだと思う。上達と一言で言ってしまったけど、それは成長であったり、技術の向上であったり、パフォーマンスの向上であったり、様々。

そして主観的に「成長した!」と感じられるのは、時に難しく、側からみたときにそう感じても本人はそう感じてない時が多々あると思う。

何かを始め、興味を持ち、楽しくなり、いわゆる「ハマる」状態になると、どうしてもそれなりに上達したくなる。そしてその上達スピードは初級者の時は比較的早く、中級あたりにくると一気に遅くなりがち

動きで悩む多くの人はこの辺りから先にいる方々に多い気がする。

私もダンスを突き詰める中で「こんなに頑張っていても改善が見られない、上達が見られないってなんなんだろう」と悩んできた時間がとても長かった。

前置きが長くなったけれど、私の個人的経験と、ロルフィング®︎やピラティスを通じて出会ってきた多くの方々とのやりとりの中で、この段階で悩み、自分自身を「もっと練習」「もっと意識」と、追い詰めていく傾向がとても多いように感じてきた。

なので、今回は、そうやって悩んできている人たちに対して、

生徒側が学ぶことでどうこうできたりもするけど、指導者との相性や、どういう指導者なのかも影響するんだよ、自分が出来の悪い生徒というわけではないんだよ、ということを伝えていけたらいいなと思う。

少しでも、ちょっとだけポジティブに上方向の渦巻きの中で、悩みながらも楽しく上達していけるように。悩みの暗いトンネルの中でも、その先に明かりが見える悩み方ができるように。

感覚的な相性

指導者と生徒の相性。単純に合うのか合わないのか。直感的なこともそうだけど、ここでは、指導者が使う言葉が自分の身体に響きやすいのかどうかの相性。

私が指導者対象に開催しているホリスティック・システムでは、動き方のタイプ分けをいろんな方法で紹介したりもするけれど、その動きの感覚傾向のタイプによって、動きを伝える時の言葉の使い方が変わってきたりすることがある。

指導者と生徒のタイプが異なる時、指導者が伝えたかった動きの説明が生徒には伝わらなかったりする。

例えば、「頭を天井に向かって高く」という言葉で、首がスッと伸びる生徒もいれば、胸が反ってしまう生徒もいる。

これは生徒側の理解力や努力の問題ではなく、感覚的な差異から来ることなのでどうしようもない。(体の部位を指す言葉を使う時、生徒がちゃんとその部位を把握しているのかの確認は指導者として必須です)

私も某ボディワークでひたすら同様のことを言われたけれど、当時本当に意味がわからなくて、やってもやっても修正がかかり、触れてもらうとわかるんだけど、とにかく大変だった。後に、そのボディワーク自体の感覚傾向と私の感覚傾向が全く違うことが発覚。

もちろん、生徒側がその感覚傾向のことを知ることで指導者の言葉を自分で自分に合うように翻訳する力をつけることも可能。生徒側の立場にいる人には、上達するためにも、怪我をしないためにも、私も地道にその術を伝えてもいる。

けど、私としては指導者にここに気付く力を持ってもらえるのが理想だなと思っている。それがホリスティック・システムを始めた原点。生徒側に伝えるのはとても好きだけど数に限りが出てしまう。指導者がわかってくれたら、幸せになる人(もう少しポジティブに悩みながら上達したり、怪我しにくかったり)の数がグッと増えるもんね!

構造的な相性

指導者と生徒が同じような体型や骨格や質である方が、指導者の言葉は生徒に伝わりやすい。

骨盤が前傾の反り腰タイプなのか、骨盤後傾のフラットタイプなのか、をはじめ、股関節の開き具合など含め、特に経験から指導をするタイプの指導者では、ここの相性はかなりポイント。

自分と同じタイプの指導者を選ばなくてはいけないわけではないけど、もし、先生の説明を実践してもうまくいかなかった時、ちょっと身体の状態に意識を向けてもいいのかもしれない。

先生にとってのこの動きは、自分にとってのどの動きになるのか。ここが面白く感じられるようになると、いろいろとても面白くなる♪

右脳左脳的相性

長嶋茂雄名誉監督のように「サッと」「スッと」みたいな言葉で説明するのはとても感覚的。ある意味右脳タイプ。

「バットを振る時に背骨を長くする」(←適当に作りました笑)みたいなのは、もう少し論理的説明の左脳タイプ。

…とした時に(正式にそういうタイプ分けが重要なわけではありません)、自分が感覚的であれば、おそらく指導者の「こんな感じで」が響きやすい。

けれど、自分がそうでない場合、全くその言葉は響かない。

例えば、私も昔、脚を上げるポイントを先生に聞いたら、「サッと上げれば上がるじゃない?」と言われたことがある。いや、サッとやっても上がらないから聞いてるんだけど、と高校生ながら思ったことを鮮明に覚えている。

サッと上げる以前に、軸足はちゃんと使えているのか、足裏で地面を認識しているのか、膝の向きは大丈夫なのか、脚に対して骨盤は良い位置にあるのか、背骨がしっかり体の真ん中から頭に向かってリーチしてるのか、など、まぁざっくりと羅列しただけでも、たくさんのことがある。

先生の言う「サッ」にはこれが実は全部含められているんだけれど、高校生の私には全く掴めない情報だった。

理論的にこねくり回されても、これまた、実際に動く時に1から10までやってては動けないので、感覚的部分はとても大切なのだけれど、分解して説明しようとした時にそれができることは指導者としては欲しい力でもある。

そんなわけで、自分がどっちのタイプかを知っていると、合う指導者を見つけるきっかけにも。

ちなみに私は、幼少期から感覚的な説明の多い世界でダンスを学び、大学で嫌気がさし、ロルフィングを学ぶ中で、しっかり動きを知識で説明できる素晴らしさを知り、それと同時に感覚の裏には壮大な科学があることも知り、そこから身体の使い方は劇的に変わった。

感覚と知識。バランス大切にしたいところ。

学ぶスタイルの相性

指導者自身がどう学ぶスタイルかによって、指導の仕方にも特徴が出たりする。

触れられて学ぶタイプ

言葉で説明され学ぶタイプ

動きを見てそこから学ぶタイプ

などなど、比較的自然にバランスをとって教えている指導者は多いのではと思うけれど、指導者自身の学びやすかったスタイルは指導に取り入れることはとても多い。ちなみに、自分がどう学ぶのが学びやすいのかわかっていたりすると、今後の人生にも役立つし、可能であれば先生にリクエストしても良いと思う。

例えば、私は、特に慣れない動きは見ないとダメなタイプで、難しいバレエのクラスとかに行くと、とにかく上手な人たちを見て覚えるようにしている(先生にリクエストできる空気ではない時はこんな感じもおすすめ笑)。

そして少し余談だけれど、筋膜の観点からでは触れ触れられて伝えられるのが一番伝わりやすい。筋膜の情報伝達スピードは神経系よりも上。

ただ、嫌な人に触れられたら拒否反応を示すように、触れられるのが苦手な人や、触れ方があまり適してなかったりすると(驚いたり、緊張したり、なんか嫌な感じだったり)、生徒側の筋膜は情報をゲットしない。なので、触れ方も大きなポイント。
(そういったところもホリスティック・システムではカバーしていきます)

最後に

今回はいろんな相性について触れてみたけれど、思い当たるところがあったりしてたらいいし、なければ、、、、なかったのに、ここまで読んでくださりありがとうございます汗。

思い当たるところがあった方、たまには他の指導者なんかも体験してみながら、ぜひ探ってみてください。

私は決して、「自分に合う」指導者を探すためにジプシーしてほしい、と言っているわけでもなく、

今回の話を読んで「えー!先生のこと好きなのに、先生のタイプ私と真逆じゃん!このままでは上達できないのか?」と思ってほしいわけでもありません。

もし、すごく頑張ってるのになかなか上達しなくてモヤモヤしているのであれば、ひょっとしたらここなのかも?というところで書いています。

指導者を変えることが1つの策であることもあれば、「タイプは違うし、すごく当てはまるけど、先生は好きなんだー!」と言う時は、自分でその先生の発する言葉を、そのまま言葉通り受け入れるのではなく、先生の動きを見たりして、どんな動きを求められ、それは自分自身で表現するならどんな感じなのか伝わるように翻訳していく、という策も。

実際、私はロルフィングのクライアントの方々から、「先生にこう言われたんだけれど、それは一体どういうことなのか」という翻訳をお願いされることがよくあります。

誰しもが悩むし、悩む時期は大切だけれど、そこで負のスパイラルに陥って、辛くなってしまったり、怪我に繋がってしまったりすることもなきにしもあらず。

どうせやるなら、少しでも楽しくやりたいじゃん、という、これは私のスタイルだけれど、 人間、伸び代はたくさん!!気持ちよく伸び伸び伸びて上達してもらえますように!

人見知りで、一人でも平気な顔はしていますが、応援してもらうことで力を得て、サポートされることはとても心の支えになります。サポートしていただけたら、すごく嬉しいです!