Big Bang Theory S1Ep10 見破れない嘘もいつかは破綻する典型的な事例

この記事のタイトルは、ドラマで取り上げられているネタからつけたものです。ドラマの正式なタイトルはこちらです。

The Loobenfeld Decay:ウソから出たウソの法則

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

今回もやはり日本語と英語の乖離が激しい。しかも「Loobenfeld」とは劇中でシェルドンが見つけてきたMITで物理と演劇を選考していた学生の名前(もちろん、劇中での)で、「Decay」とは物理学用語としては「崩壊」とか「減衰」を意味するようです。

本番組の内容を見る限りは「ルーベンフェルド崩壊」のような感じがしますね。

Loobenfeldとは?

タイトルにいきなり固有名詞で登場させるわけですから、前回の「The Cooper-Hofstadter Polarization」のように主人公の名前でないなら、アメリカで著名な人物の可能性があります。

「Loobenfeld」では良くわからないのですが、類似音となる「Lowenfeld=ローウェンフェルト」の名前で、著名な人物が少なくとも二人います。

一人が小児科医で分析心理学をもとに「世界技法」と名付けた児童のための精神治療法を確立したマーガレット・ローウェンフェルド。この世界技法は日本では河合隼雄が紹介し、「箱庭療法」として発展しています。

彼女の「世界技法」のクリニックは、現在はローウェンフェルド財団として活動を続けているようですね。

ローウェンフェルドの初期の世界技法を見ると、様々な形の折り紙細工みたいなものを並べて遊ぶような感じでしたが、サイエンスミュージアムの展示などを見ると、まさに箱庭と呼ぶ感じになっています。

画像7

ちょっと趣は日本のものと異なっているようですが。

そしてもう一人がオーストリアで生まれ、その後ペンシルバニア州立大学の美術教育の教授となったヴィクター・ローウェンフェルド。不思議なことに、こちらのローウェンフェルドも芸術を通じた子供の教育に実績があります。日本語でも訳書が何冊か出版されています。

どちらもすでに故人ですので、表記を変えて取り込んだのかもしれません。

このあたりはプロデューサーの発言などの裏付けが必要なところですが、そこまで追いかける余裕がないので、上記の可能性を示唆するにとどめておきたいと思います。

あらすじ

レナードとシェルドンがアパートの階段を上がろうとすると、ご機嫌な感じで歌を歌いながら降りてくるペニーと出会う。本当は、ペニーの歌の調子の外れ具合がひどすぎてペニーから逃げ出そうとしたけれどもつかまってしまった。
ペニーがご機嫌だったのは、舞台に出演予定だった俳優が一晩だけ出られなくなり、代役を務めることになったから。
そしてもちろん、ペニーは二人に舞台を見に来るように誘うのだが...

冒頭のシーン:ターミネーターのタイムパラドックス

外から帰ってきたレナードとシェルドン。シェルドンは何かの袋をぶら下げている。話題はターミネーターのタイムパラドックス。

最初は、レナードの主張。

Leonard: See, the liquid metal Terminators were created in the future by Skynet, and Skynet was developed by Miles Dyson, but that future no longer exists, due to Dyson’s death in Terminator 2.

ターミネーター2で出てくるT-1000(液体金属のターミネーター)は、未来のスカイネットが送り込んできているが、そもそもターミネーターを作り出したマイルス・ダイソンが死んだため、スカイネットがある未来はもはや存在せず、T-1000も存在しえないはず。

リンクでは値段がついていますが、2021年4月18日現在、Amazonプライム対象となっています。

この辺は典型的なタイムパラドックス問題ですね。

これに対してシェルドンの指摘

Sheldon: Okay, then riddle me this. Assuming all the good Terminators were originally evil Terminators created by Skynet but then reprogrammed by the future John Connor, why would Skynet, an artificial computer intelligence, bother to create a petite hot 17 year-old killer robot?
(字幕)未来のジョンは悪者のターミネーターを味方に再プログラムした。
でもなぜスカイネットはセクシー美少女の殺人ロボットを作った?

このは字幕の文字数の制約から、この訳で仕方ないかなと思いますが、少しわかりにくくなっているように思います。

「全ての味方のターミネーターは、元々はスカイネットが作った敵のターミネーターだったものが未来のジョン・コナーに再プログラムされたとして、なぜ人工的コンピューター知能であるスカイネットは苦労してまで小型で美人の17歳の殺人ターミネーターを作ったのか?」

こんな感じでしょうか。

このあとのやりとりが笑えるのですが、

Leonard: Skynet is kinky? I don’t know.
    (スカイネットは変態だから?知らんけど)
Sheldon: Artificial intelligences do not have teen fetishes.
    (人工知能に女子高生フェチなんかない)
Leonard: Alright, oh wait, they use it to in…
    (それじゃ、待って、スカイネットはそれを...)
Sheldon: (Buzzing noise), too late, I win.
    (ブー。時間切れ。僕の勝ち)

女子高生のターミネーターが出てくるのは『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』ですね。

ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ

この女子高生ターミネーターの最初のシーズンの放送期間が2008年1月13日から3月3日まで。ビッグバンセオリーのこのエピソードが放送されたのは2008年3月24日。サラ・コナー クロニクルズは日本でも結構話題になりました。

サマー・グローは1981年生まれなので、2008年だとすでに27歳。「17歳の殺人ターミネーター」には、年齢が上すぎやしませんかね?

などと書きましたが、アメリカのドラマを見ていると、20代の人が高校生役を平気で演じてたりしてます。

グラント・ガスティン(1990年生まれ)がGleeでセバスチャン・スマイスを演じていたのは2011年から2013年なので、21歳から23歳でしたし。

ペニーの歌とミュージカル RENT

ターミネーター談義をしながら階段を上がろうとすると、明らかにペニーの声と分かる歌声が響いてくる。

Penny (voice off, singing, quite tunelessly): Let’s go-oh-oh Ou-oooo-ut tonight. I have to go-oh-oh-oh ou-ooooo-ut tonight.
Leonard: What the hell is that?
Sheldon: I don’t know, but if cats could sing, they’d hate it too. (さあ。でも猫が歌えたとしたも、猫でも嫌いだろうね。)

シェルドンのセリフは典型的な仮定法の文章ですね。猫が登場するから「キャッツ」の歌詞ならやりすぎですが、この歌はミュージカルではあるものの、この後のペニーのセリフにもあるように「RENT」から。

ミュージカル「RENT」は、今でも人気で合衆国内でツアーが組まれていて、映画化もされているとなっています。

現在でもアメリカ合衆国内では"RENT"はツアーとして各地で地方公演が行われているほか、今日までに日本を含む世界15カ国で各国語版の『レント』が上演されてきた。また、ハリウッドで映画化もされアメリカ合衆国では2005年11月、日本では翌2006年4月に劇場公開された。

映画もあるのか。

映画のブルーレイの紹介文から引用すると、こんな内容です。

1989年ニューヨーク。イースト・ヴィレッジで毎月の家賃(レント)も払えないような生活をおくる、若きアーティストたち。
彼らは犯罪、エイズ、ドラッグ、同性愛、友の死など、様々な問題に直面しながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって今日という日を懸命に生き抜くのだった……。

これクリス・コロンバスが監督してて、主人公のミミはロサリオ・ドーソン!

スターウォーズ界隈では、実写版アソーカ・タノを演じた女優としてつとに有名ですが、もともといろんな場面で活躍していた方ですね。この映画にも出ていたのか。

そんなわけで「アソーカ・タノ」が歌う「Out Tonight」はこちら。Amazonプライムの方はお聞きになれます。曲名の通り「Out Tonight」のところがサビになっていますが、ペニーがわざと外して歌ったものと比較してご覧ください。

RENTは「ラ・ボエーム」の翻案

さらに「RENT」はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の翻案のようです。

『レント』は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の甘く美麗な世界(1830年から1831年のパリ・カルチエラタン)を現代の粗暴な喧噪の中(1989年から1990年のニューヨーク・イーストヴィレッジ)に置き換えるという構想のもと、ジョナサン・ラーソンが作詞・作曲・脚本を担当し、ほぼ独力で書き上げたミュージカルである。

ラ・ボエームは初演は1896年2月1日で、120年以上前の作品ですね。ウェーバーやワーグナーが始めた「ライトモティーフ」の手法を取り入れ各登場人物の性格を表す動機を活用しているとも紹介されるオペラです。

ライトモティーフの説明を読むと、一番最初に思い出すのは、真っ黒なマスク・装束に身を固め、生命維持装置がないと生きていけないあの方を思い出します。

オペラや交響詩などの楽曲中において特定の人物や状況などと結びつけられ、繰り返し使われる短い主題や動機を指す。

ウィキペディアでは、始めたのはウェーバーやワーグナーですが、その後、シュトラウスらに引き継がれていったとなっていますが、最後の文がやっぱり、な説明になっています。

ワーグナー以降、リヒャルト・シュトラウスをはじめとする多くの作曲家によってライトモティーフの手法は継承されていった。映画等のサウンドトラックでもこの手法は多用された。ジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』(ダース・ベイダーのテーマなど)が代表例である。

ダース・ベイダーのテーマが流れてきたときの絶望感といったらない。

レナードが参加するシンポジウム:分子ポジトロニウム

ペニーが主人公を務める舞台は見に行きたくないレナードは、次の週に予定されているシンポジウムの日が、「偶然、ペニーが出演する日と重なっている」と嘘をつく。

台詞では分子ポジトロニウムのシンポジウムに参加するため、というのだけれども、ポジトロニウムの説明は専攻していないと難しいですね。

Leonard: Because…. uh, Friday, we are attending a symposium on molecular positronium.

ここから、物語はこんな感じで話が進んでいく。

・ハワードの参加するシンポジウムは、ペニーの公演の日ではないことを知っているシェルドンは、レナードがあまりに自然に噓をついたことに驚く

・真夜中、シェルドンはペニーがレナードの嘘を見破るのではないか?学会のHPにアクセスしてシンポジウムのスケジュールを確認すれば一発でばれる、と気持ち悪くて寝られない。レナードに正直に「役者は向いていない」と言うべきと諭すが、レナードは「社交辞令だろ」と取り合わない。

南カリフォルニア物理学グループのサイト

シェルドンが「物理学のサイト」として正確にURLを説明しているので、そのサイトにアクセスしてみると、ビビデ・バビデ・ブウ!なんとそのサイトはワーナーがきちんと管理してました。

今では、該当するページがありませんと表示されますが、ワーナーのサイト内のページとなっています。

Sheldon: Simple. If she were to log on to www.socalphysicsgroup.org/activities/other, click on upcoming events, scroll down to seminars, download the pdf schedule, and look for the seminar on molecular positronium, well then, bippidy-boppidy-boo, our pants are metaphorically on fire.

上のリンクをクリックすると、「THIS WEB SITE IS CURRENTLY NOT AVAILABLE」と表示されます。

少し拡大してみます。ワーナーのロゴが左上にはっきり認識できますし、左下には「Warner Bros.」の文字がありますね。

画像2

これ、きっと放送していた時期には、ダミーでいろいろとおいてあったと思うのですよ。アメリカの番組でこういうの結構多いし。

当時のアーカイブ、残っていたら良かったんですけどね。

アメリカでは嘘をつくと尻に火が付く

上記の物理学のサイトでスケジュールを確認したら、嘘がばれるのところのセリフは次の様に書かれている。

Sheldon: (中略)well then, bippidy-boppidy-boo, our pants are metaphorically on fire.
Leonard closes door.
Sheldon: Well, sir, my trousers will not be igniting today.

この「Pants on Fire」は子供が嘘をついたとき、友達がそれをなじる囃し言葉の「下の句」で、全体では「Liar, Liar, Pants on Fire!」と言うようです。

トランプ前大統領の時に某サイトで使われて日本でも紹介されたようです。

トランプ前大統領とPolitiFactは、本エピソードの時代には全く無関係ですので、とりあえず脇においておいて、シェルドンの表現は直訳すれば「我々のパンツは隠喩的に火がついている」ですが、この場合は「我々の嘘は控えめに言ってもばれている」ぐらいの感じでしょうか。

さらに、レナードがあきれてドアをバタンと閉めてしまった後のシェルドンのセリフは、「僕のズボンは今日は火が付かないけどね。」になっています。

最初は「our pants are metaphorically on fire」で「僕たちのパンツ」。
次が「my trousers will not be igniting today.」で「自分のズボン」で、「will」まで使っているので、英語の文脈的には、この後シェルドンは自分の尻についた火(嘘)を消しに行きそうな感じになっています。

そしてその予想通りに話は展開して、仕方ない、ということでシェルドンはペニーにレナードが嘘をついたことをばらしてしまうわけです。

コロラドの標準電波

翌朝、さっそうとペニーにレナードの嘘をばらしに行きます。

朝早くにたたき起こされて不機嫌そうなペニーが、「今何時か分かっている?」との質問を文字通りに解釈したシェルドン、時計を見せて曰く。

画像4

画像3

時計の針は1時20分ごろを指しているようにみえます。たぶん撮影の時間がこれくらいだったのでしょうけれども、朝の時刻には変更していなかったのかな?

それはさておき、この時のシェルドンのセリフは、もう少し詳しく原子時計のありかを言っています。

Sheldon: Of course I do. My watch is linked to the atomic clock in Boulder, Colorado.

アメリカの標準電波を発信しているのは、確かにコロラドにあるようですが、シェルドンのセリフとは異なり、コロラドのボルダーではなく、フォート・コリンズのようです。

グーグルマップで調べてみたら、ボルダーとフォート・コリンズは距離にして50マイル弱。74キロメートルぐらい離れているようです。

画像5

穴を掘りすぎて、自分で穴に落ちていっている感じがする!

コロラド州の州都デンバーから80キロ以内のところに標準時を告げる電波を発する基地があるということが学べたということで良しとしよう。

シェルドンの「複雑でほどけない網」

ペニーにレナードの嘘をばらし、そしてレナードには「ペニーには嘘であることをばらした」と言っちゃうシェルドン。

それは「レナードが、シェルドンの身内に薬物中毒患者がいて、その人をシェルドンが迎えに行くのだが、それはLAから50キロも離れたロングビーチにあるため、シェルドンのためにレナードは運転手をしなければならないので、ペニーの公演には行けず、レナードはシェルドンを慮って嘘をついた」という手の込んだ説明をする。

ちなみに、この薬物中毒にかかった親戚の名前は「Leopord」だそうで、どう考えても「Leonard」の名前をもじっただけですよね。

さらにシェルドンは、その薬物中毒患者の身内のフェイスブックにブログ、薬物中毒患者の集いのサイトへの登録まで済ませたので、レナードの「物理学会のサイトを見ればすぐにばれるような下手な嘘」とは異なり、シェルドンのは「複雑でほどけない網」だとおっしゃる。

つまりペニーは次のような内容として理解されている。

・ペニーはレナードが嘘をついたことを知っている。
 嘘をついたのはレナードがシェルドンの薬物中毒の親戚を慮ってのこと。
・一方、レナードは自分の嘘がばれているとは知らないはずなので
 ペニーはレナードの嘘に乗ってあげることにする

シェルドンのほどけない網が破綻する瞬間

そんな中で迎えた、ペニーの「RENT」公演当日。

シェルドン、レナード、ペニーの間でこんな「複雑でほどけない網」が複雑に絡まった状況であることを知らないハワードとラージがやってくる。破れなかったはずのシェルドンの嘘に破綻が生じる瞬間がやってきた。

今からペニーの「RENT」のトライアル公演があるが、自分たちはポジトロニウムのシンポジウムに行くので行けない、とシェルドンが説明したが、もちろんそんな嘘はハワードとラージには通用しない。

一瞬でばれて、「ファーマンファーミアンのスピーチを聞きに行くなんてありえない」とばれてしまう。

ここで、エミール・ファーマンファーミアン博士で調べてみたけれども、残念ながらシェルドンがさっと名前を挙げ、ハワードが「そんなのありえないだろ!」と激怒するほどの物理学博士は見つけられませんでした。

ですが、イランの貴族出身で南カリフォルニア大を卒業し、作家・ソーシャルワーカーとして活躍したサタレ・ファーマンファーマイアンという方なら見つかりましたが、物理学を修めてポジトロニウムのシンポジウムで講演するようには思えませんでした

これを聞いたハワード。シェルドンとレナードが、自分たちをのけ者にして二人だけで何かをやろうとしたと理解します。

スターウォーズネタ登場

ここでのハワードのセリフ

Howard: No, it’s okay, it’s your Millenium Falcon, you and Chewbacca do whatever you want to do. Me and Princess Leia here will find some other way to spend the evening.
(字幕)ファルコン号でチューバッカと楽しめ。僕はレイア姫と夜を満喫する。

これを聞いたシェルドンとハワードが、「えぇぇ!」みたいな反応を示します。会話の流れからして、こんな感じになるわけですが、シェルドンとラージが微妙な反応をするのも当然ですね。

・ファルコン号:レナードとシェルドンがやろうとしていること
・レナード:ハン・ソロ
シェルドン:チューバッカ
・ハワード:ルーク・スカイウォーカー
ラージ:レイア姫

足を折る=幸運を祈る!

かくしてシェルドンのほどけない網はほどけ、ペニーは公演に出かけました。

この時のレナードとシェルドンの挨拶がこれ。

Leonard: Yeah, uh, break a leg.
Sheldon: Break a leg. (She leaves)

字幕では「成功を」となっていますが、なんででしょう?

舞台生まれのイディオムでそのように言うようですね。

ドイツでは「Toi, Toi, Toi」と言うらしいです。ドイツの劇場で現役のバレリーナをされておられる川端さんの記事をリンクします。

ロングビーチのクイーンメアリー

ペニーの種明かしで、当初の「ほどけない網」の一つであった、ロングビーチにシェルドンの親戚を迎えに行く話を信じたハワードとラージは、じゃあロングビーチに行こうと言い出します。

しかし、それもウソだと知っているレナードは、すべて嘘なので行かない…はずだったのですが、ロングビーチのクイーンメアリー号で殺人ミステリーディナーショーをやっているとシェルドンがネタを投下。

実際にロングビーチにクイーンメアリー号は設定していて、ホテルもあるようですので(現在はコロナ禍で休止中)、何らかのイベントをやっていたかと思います。

コロナでホテル休業中の現在でも、こんなイベントを開催しているようですから、コロナ以前でしたら金曜日は大盛況だったことでしょう。

画像6

クイーンメアリー号から帰ってきたシェルドンは

殺人ミステリーディナーで刺激を受けたのか、も単に「シェルドンの日常の延長」で思いついたのか、きっと後者だと思いますが、今度はシェルドンの親戚の設定では、素直に(薬物治療)施設に戻るはずがないと思いつく。

そんなことを気にするのはシェルドンぐらいなので、放っておけと思うレナードに、「あくまでもほどけない網」にこだわるシェルドンは、そもそもレナードの嘘を挽回するためのものだとあくまで自説を通そうとするシェルドン。

朝、レナードが起きてみると、なんと見知らぬ少年が食卓に座っていて、「シェルドンの親戚のレオ」と言い出す。

この少年の名前が「Toby Loobenfeld」で、本エピソードのタイトルのThe Loobenfeld Decayの回収をするわけです。

Loobenfeld については冒頭のエピソードタイトルで書きましたので、ここでは省略します。

この「Toby Loobenfeld」もMITで物理学と演劇を専攻しただけあって、心理学についても造詣があり、シェルドンの書いたシナリオは「俗説的」と言って、海軍にいた父親に海外をつれてあるかれた間に牧師からいじめられて薬物依存に走った、という設定はどうだ?といって、シェルドンと議論を始めるほど。

果たしてペニーの公演は?

そこにやってきたペニー。「昨日はどうだったの?」と尋ねるペニーに、「施設には帰らなくて、家に連れてきたんだよ」と説明するシェルドン。

ペニーが「そうだと思ったわ」との返事にご満悦のシェルドン。

このあたりは、もう番組をご覧いただきたい。

そして、シェルドンが却下した、牧師からいじめられた演技をいきなり始めてしまうトビー=レオポルド。

当惑したレナードは、「薬物治療の大変な人のプライバシーを尊重してシェルドンに任せよう」とペニーの部屋に逃げようとします。

そうすると、なんと昨日のペニーの「RENT」公演のビデオがあるという。しかも最初は大勢いたはずの観客が最後は二人になったと。

そんなビデオを見て、レナードがどう反応するか楽しみだわ!と言うペニーに、「ここまで苦労して嘘を張り巡らせたのに、結局はペニーの演技を見る羽目に」なり、しかもそれを真横でどう反応するか見られるという地獄のような状況に置かれることに。

レナードがペニーの公演にどう反応し、ペニーがどう思ったのかは描かれていませんが、今回も重厚な内容が込められたエピソードでした。

この記事も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本エピソードで他に見落としているネタがありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?