【楽曲】 君の代はり
先日アップしました、こちらの歌詞。
楽曲の方も公開できる感じになりましたので、動画貼り付けしたいと思います。
楽曲に施した「音」的な部分に注意を寄せたいという思いから、視覚に意識を取られすぎないように、歌詞を載せた「リリックビデオ」の形でまとめました。
我ながらこれはかなり奇異な楽曲かと思うんですが、僕的には積年で形にしたいと思い続けてきた楽曲なので、よろしければお聴きいただけますと嬉しいです。
この奇妙な曲、どんなふうに思われるのかしら。。。
…ということで本日記事では、こちらの楽曲につきましてのセルフライナーノーツを書いてみたいと思います。
1.サビでのテンポチェンジ
まず。
お聞きいただいた方はお分かりのとおり、何と言っても一番ヘン(特徴的)なのは「サビでのテンポチェンジ」です。
楽曲のサビで、突然の出来事が起こって驚かれたかと思いますが、僕的にはとにかく「これをやりたいがため」の楽曲なのでした。
ただ、この曲のテンポチェンジって脈絡もなく唐突にテンポを変えているわけではないんです。ちゃんとルールがある。
「4」拍子の曲の中で、「3」連符の符割りを活用することにより、BPM(曲のテンポ)の設定を途中変更することなく速さを変える、というあくまでロジカルなルールに則ったテンポチェンジなんです。
ロジカルな実験だからこそ、やりたかったわけで。
こうすればいいかもなんて閃きましたもんで、実験研究して、楽曲を構築してみました。
…って、かなりマニアックなこだわりですが、文章で書くと更にわかりにくいかと思うので、一応図解までしてみますとこんな感じです。
サビでは一拍が「3分の2」の尺になり、テンポが「速くなる」というテンポチェンジなわけですが、かといって元のBPMが3では割り切れない「85」というテンポであるため、テンポ設定では正確にプログラミングできないのです。
なんとなく、2進法デジタルのフォーマットに勝利した気分w
…と、理論で説明しようとするとなかなか小難しくなってしまうのですが、実はフィジカルな感覚で演奏しようとすると、意外と掴みやすかったりします。
例えばドラマーの人とか、楽器のプレイヤーの方とかなら、実際に演奏してみるとフィーリングつかめると思うんだけど、「4」刻みの進行にアクセント的に入れた「3」刻みのフレーズをそのまま延長すれば、割と自然とサビに移行できるかと。
「WASMINE」の曲しかり、こういうマニアックな実験を「歌モノ」でやるというのが、僕的な挑戦だったりします*
2.国歌と玉音放送
続きましてはマニアックな内容から一転して、「テーマ」についてノーツ。
ま、タイトルからしてこういう楽曲なわけですから、楽曲全体に存分にその雰囲気を散りばめて作っているわけです。
特にわかりやすいと思うのは、2番サビ終わりからの間奏ですね。
「国歌」のフレーズと、第二次終戦時の実際の「玉音放送」の貴重な音声を、間奏に重ねてみました。
玉音放送での文章内容ってのは、あらためて文字に起こしたものを訳してようやく意味わかりますが、例えば混乱の戦時下にラジオで流れてきたものを一般庶民の方々が聞いて、その場で内容が理解できたのかと言われると、やはり意味までは理解できなかったらしい、というのを聞いたことがあります。
声明の意味はわからねど、天皇陛下直々の放送が流れるという意図や、その声色や抑揚とか、そういうものから大意を察したのでしょう。この放送が戦いの終わりを告げるものだったということは伝わり、人々は涙した。
そして、この機に国歌「君が代」の意味についても触れてみたいと思います。
「君が代」って、時代背景と相まって、どうしても「君」を「君主のために」といった帝国主義的なイメージで受け取ってしまいがちですが、そもそもの歌詞は西暦905年「古今和歌集」に「題名知らず、読み人知らず」で掲載されていたものから来ていて、つまり、1000年以上も前に詠まれた歌が元になっています。これは世界最古の国歌としてギネスにも登録されているとのことで、、、これはすごいですねー、僕も調べるまで知りませんでした。
ということなので、「お国のために」といった軍国的な意味合いは後からついたイメージで(国としてそういう政治利用意図もあったのかもですが)、そもそもの歌は「大事な人のことを慮る」といった内容になります。
仮に天皇様のことを指すというのであれば「大君」「御代」といった言葉を使うはずで、「君」という言葉を使うのは失礼にあたるとのことなのです。
そして、さらにもっと紐解いて考察すると、元歌では「君が代→我が君」となっており、当時は「我が君」というのは男性に対して使う言葉だったことを踏まえると、元来のこの歌は「名も知れない女性の、男性へのラブレター」だったと考えられるようで、これは今回僕の楽曲制作のイメージにも重なってくるところです。
この楽曲においては、僕自身もむしろ個人的な恋愛見地みたいなところから制作したわけで、右や左の政治思想云々とは離れたところで作ってますので、決して危ない感じではないことを書き加えておきたいと思います笑
ともあれ楽曲制作にあたり、「君が代」については僕も色々調べて初めて知ったことばかりで、結果的にこの楽曲制作をきっかけに洞察を深めることとなりました。
3.映像イメージと都市伝説
今回のMV映像につきましては、主に歌詞を掲載表示する「リリックビデオ」の形にしたのは、そこまでストーリーやMVビジュアル化したイメージがなかったのがそもそもではあるのですが、イメージがあるとしたら、時代背景をにおわせる「縦書便箋に筆や万年筆」みたいな世界観かな、というところでした。
かつての大戦時に出兵された方が残した手記のような、といったイメージがあったのかもしれません。
題字の毛筆は、今回どなたかに書をお願いしたわけではなく、色んな書家の方が書かれている書や既成の文字フォント等を参考に、僕が造形として「デザイン」したシェイプです。
そして、その題字に重ねてある楔形文字みたいのは、古代シュメール文明の「ヘブライ文字」。
…おっと、急に世界観が飛びましたねw
ま、ここは遊びのアクセント程度なのでお許しを。
何でも、日本人のルーツは遠く離れた中東イスラエルにあり、「日本語とヘブライ語が似ている」という有名な都市伝説があります。国歌である「君が代」の歌詞も当てはめるとそれっぽい意味のある言葉になるようで…
まぁ、この都市伝説が事実かどうかはわかりませんが、少なくともロマンはあるなぁと思いますし、デザイン的にも素敵だったもんで、ちょっと思いつきで入れてみました次第です^^*
余談の都市伝説ですが、同じアジアの朝鮮や中国には一切見られず日本人のみに見られる特殊な「YAP遺伝子」のという存在が科学的にも証明されているようで、その観点からも日本民族のルーツは特別なようです。
、、、って脱線しすぎですね、すいませんf^^;
ということで以上、音もテーマもかなりクセの強い楽曲ではありますが、逆にこれに似たような楽曲って受け入れられにくくてあまりないのかもなとか思うと、今回この楽曲を形にできたのは面白かったなと思います。
万人ウケはしないだろうこんなクセの強さも、自分のオリジナリティってことですね。
思ったより長く書いてしまいました、個人的楽曲のライナーノーツ。
読んでいただき、ありがとうございました*
最後までお読みいただき、ありがとうございました!頑張って書き重ねていきますので、是非またお越しください。