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【歌詞】 君の代はり。

粗い最後の口吻づけから
時は何れだけ経ったのだらう
それをぼんやり数えてゐた
まるで定かではないけれど

君が居ない、疑わない。
揺るがない此処にいる。

失くした儘の君の代はり
腑抜けたように待ち呆けて
風が渇いた洞を鳴らす
ひゅるり 塞がるのも畏く

誰もいない、受け入れない。
譲らない自意識の出過ぎた果てに

darling その訣れが
darling 非道いものと
darling 顧みれば
君は千代に消えず

君の身声も笑い方も
如何に愛してゐたかさへも
総て思い出せなくなつた
知らず記憶は薄れるもの

胸を締める、痛みは無い。
認めない薄情は、無情に無常で。

darling 其の深さが
darling 悔いるほどに
darling 現今に在ると
償い抗い続く

diverged 君が代は
residued 動きなく
cut dead 常盤堅磐に
限りもあらじ

darling 君が代が
darling 現るるまで
darling 千尋の底の
君は決して消えず

永く一度も遇えずとも
兎も角 君は笑っていてね

御世の栄えを。

久しぶりの記事投稿で、近況報告などなど書くことは色々あるのだけれど、今日の日ということに合わせて、楽曲の歌詞をアップしてみました。
歌詞自体は20年前くらいには出来てたもので、今回楽曲としてまとめるにあたり、新たに手直しを施した感じです。

文章的な切り口としては、例えば「は」とか「へ」とかの仮名遣いの読み違いは現代でも自然に残っていて、現在僕らが国語で習う歴史的な仮名遣いっていうのも、すべてが完全な形で展開されてたわけではなく、きっと言語が変遷していく過程で新旧入り混じったりしていたんだろうな、なんて前時代に思いを馳せつつ書いてみた感じです。

祖父が第二次戦時中に出兵するにあたり仲間に書いてもらったという寄せ書きの書かれた日本国旗を、20年前に遺品として僕が譲り受け、それを見たときにその世界観で作品を作ってみようと歌詞を書いたのでした。
ま、ストーリー的にはいつもの陰鬱な喪失感のマイワールドなので、直接的に反戦歌とかではないんだけど、楽曲を形にしようと思った今のタイミングに期せずしてこんな世界情勢になってしまったことを受けると、この歌詞の投稿は今日なのかなとアップしてみた次第です。
当時は、過去の出来事のものとして受け取っていたはずなのに、まさか現代になってリアリティを持ってしまった。憂うべきことだけど。

楽曲的には、かなり奇異です。
後日アップしたいと思いますので、よろしければお聞きいただけますと幸いです。


何気ない穏やかな日常が、一日も早く戻りますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!頑張って書き重ねていきますので、是非またお越しください。