雪虫が舞った
初めてのホームページ「ふうら美術館」を開いて今日で二十五年。
ふうらの一人と共に羅漢寺の石仏を訪ねた。
迎えてくれたのは、そろそろ現れる頃だと心待ちにしていた雪虫。小さな個体だったが、しばらくこのあたりを浮遊、石のらかんと綿の虫はとてもよく調和する。
ここに来るまでは足も体も重かったのが、石仏を巡る間にやや楽になった。いつの年からか、ここに咲き出したノジギク。石と草も親和する。境内にもう少し草花があればいいのだが……らかんたちも楽しいだろう。
対象的な二人。
口元の線も逆で。
緊張と緩和と。
同じ石(高室石)でこうも色合が違ってくる。
ウメノキゴケ・ファッションはモダン羅漢なのかオールド羅漢なのか。地衣類はここの美容師でありデザイナーである。数年でがらりと容貌の変わるひとがいる。
雲に隠れていた日が一瞬差した。四百体近い中で、西側の三四人だけに当たって明るく浮かぶ。華やぎも悪くない、翳りも悪くない。今日は鳥たちも静かだ。晩秋という季節は石のひとたちにとって、どういうものであるのだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?