第2話 なんら変わったところのない大学生活
(小説 『チョコっと変わった世界』)
ぼんやり見つめるぼくの視線に、同じサークルの3人が近づいて来るのが映る。彼らとは、さっきの授業も一緒に受けていた。たくさんつるんでいるが、特段仲がいいわけではない。大学では、ある程度の付き合いがあった方がいろいろと楽なのだ。もっともぼくが付き合っていたのは、彼らではなく、現実世界に生きてる『彼ら』だ。
「あ~座ってる~~」
石見知子がぼくを指さして言う。言い方から表情から、現実世界の石見知子とまったく同じ。
「あぁ