初めて行ったUSJの思い出

僕が小学校一年生くらいの頃だったか、USJができた。

ハリウッド映画が好きで、そのなかでも狂ったようにバックトゥザフューチャーばかり観ていた僕は、デロリアンに乗り込むことができるアトラクションがあるという話に大興奮したはずだ。(正直ここはあまり憶えてない)

たぶんオープンから一年後くらい、小学校二年生になってからだったかな。

父の職場の福利厚生の一環でUSJに行けることになった。

父と2歳下の妹と3人で行くことになった。母はまだ1歳になったばかりの妹と留守番をすることになった。

初めてのUSJに大興奮の僕。

学校にはもう何回か行ったことのある奴がいて、そいつが「バックトゥザフューチャーは映画の続きがそのままアトラクションになっているんだ!」みたいな話をしていて、こんなにあの映画のことが好きな俺がデロリアンにまだ乗れていないなんて!と悔しかった。

前日は、明日どれとどれには絶対乗る!とか、デロリアンには5回は乗るんだ!とか家族で作戦会議をした。

母は感想を聞かせてね。ついにタイムスリップができるね。と言ってくれた。

早朝に、当時家族で住んでいた社宅に観光バスが迎えに来て、USJまで行った。学校の遠足みたいで楽しかった。

初めてUSJの門をくぐった時のことは今でも憶えている。

キャラメルポップコーンの甘い香りと、エントランス付近で流れていた世界丸見えで使われているテーマ曲。

あ、世界丸見えや。

と思った時のことはなぜか鮮明に憶えている。今でもかかっているのかな、あれ。

これだけデロリアンデロリアンと連呼しておきながら、実はこの時の一番の思い出はデロリアンに乗ったという事ではない。

もちろん、デロリアンに乗り込める事、8人乗りのデロリアンにびっくりしたことも大切な思い出の一つだけど。

一番鮮明に覚えていて、僕の中で大切な思い出は、

父と妹と食べたピザが美味しかったこと。

後にも先にも今までの人生で一番美味しかったピザはこの時USJのレストランで食べたピザなのだ。

1人1ピースのピザを父と妹と食べた。

ただの1ピースのピザが、僕の中では人生で食べた中で一番美味しいピザなのだ。

パーク内のレストランのテラス席で、父と妹と3人だけで食べたピザ。

父と妹と3人で食べたという事実が特別だったのか、初めてのUSJで舞い上がっていたからなのか、理由はわからないけどとにかく特別な何かを1ピースのピザに感じたことを覚えている。

父との思い出はたくさんあるのだけど、

何故かキラキラした、大切な思い出となって僕の中の宝箱にある思い出。

食べながら話した事とか、どんなアトラクションに乗ったのかは全く覚えていないのだけど、あのピザの特別感は大切な思い出として僕の中にずっと残り続けている。

父との思い出は他にもたくさんある。

将来僕にも子供ができたら、同じくらい大切にしてもらえるような思い出を作りたい。

今度この思い出の話を酒を飲みながら、父にしてみようと思う。

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