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赤っ恥だわ~(思い出話)

それはまだ僕がピチピチの20代の時のお話です。
T君はヤマハの、まだ発売されて間もない250cc 四気筒に乗っていました。
僕よりも少しだけ年下。
行きつけのバイク屋さんで出会ったのがきっかけで、後にツーリング仲間にもなりました。
知り合って間もなくすると、『走りに行こうか』ということになり、夜走りに行くことにしました。

『彼は、250ccだし、まだそんなに熟練した人ではなさそうだ。
    あんまりペースを上げてついて来れなかったら可哀そうだな。』
と、弱者を思いやる僕は彼のペースで走ってあげようと思ったのでした。

僕はその頃ホンダVF750に乗っていました。
T君に、
『無理しなくていいからね、ついてこれなくてもちゃんと先で待ってるか
   ら。』
と、急がず無理せずにマイペースで走るように促します。

さぁ、夜走りの始まりです。
市街地では車の流れ、交通の流れがあるので僕もT君も普通に走っています。
少しずつ山道の車の少ない道へと進みます。
所々に街灯があるだけの暗い道、車は走っていない。
T君は スッと僕の前に出ました。
そしてジリジリと僕との距離を広げていきます。

『こいつ、やるなぁ。なんか速いんじゃね?そろそろ俺も本気出すか。』
と思いましたが、、、
かなり乗り慣れていて、コーナーリングもスムーズで無理なく綺麗です。
しかも速い。

僕は離されないようについて行くのに必死でした(苦笑)。
思い描いていたイメージとは丸で逆、僕はかなり無理しないとどんどん離されていきます。

『無理しなくていいからね。』
そんな言葉をかけたことを後悔しました。
というか、それは自分に対して言うべき言葉だった・・・
『これって、おもいっきり恥ずかしいじゃねぇぇか!』
しかもこちらは3倍の排気量のバイクですから、、、
思い切り恥ずかしい思いをしましたが、その後もT君とは良いツーリング仲間でした。

昔の、恥ずかしい思い出話でした。

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