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アメリカンドリーム

多くの人が考える『アメリカンドリーム』
最近なら野球の大谷翔平さんなどはアメリカンドリームの典型みたいな人なんじゃないかと思います。
多分、「よその国からアメリカへ行ったら成功した。」
それをアメリカンドリームと呼ぶ、多くの人はそんな風に考えているのだろうと思います。
もちろん、僕もその中の一人ではあったのですが、、、

色々深く考えてみると、どうやらそんなに単純なことではないんじゃないだろうということが見えてきました。

学術的な裏付けとか根拠はありません。
少しばかり歴史好きな僕が考察しただけのことですから、
もしかしたら正確ではないかもしれませんし、
もしかしたら推測の通りかもしれません。
不確かではありますが正解から大きくかけ離れていないだろう話に
少しお付き合いいただき、僕の考えたことが合っているのか
それとも全然違うのか、読んでくれた人からのご意見を聞けたらとても嬉しいなと思う次第です。

明治維新よりも前の日本は、誰もが知っている通り江戸時代やそれ以前は
士農工商という身分がきっちり決められていて、
例えば農家に生まれた人が公務員になるとか、武家に生まれた人が商人になるなんていう発想はありませんでした。
新紙幣の顔になった渋沢栄一さんのような特例(農民から幕府に就いた)もないわけではありませんが、よほど特殊な事情でもない限り生まれながらの身分は変えようがないので、努力するしないに関わらず、
『自分の人生を自分で切り開く』
という考え方はなく、どんな家に生まれたかで自分の生涯はほぼ決まっているのが当たり前だったんですね。

アメリカ大陸へ移り住んだヨーロッパの人達、特にイギリスでもどんな職業に就いているかで階級が分かれていたようです。
日本のような身分の上下ではなく、貴族などを除く一般国民は職業や収入によって階級が決まるというものです。
家柄や階級によって、或いはホワイトカラーかブルーカラーかで
進学する学校も職業もランク分けされていたようで、靴屋の息子が政治家になるとか、肉体労働をしている親を持つ子は上流階級の子が通う大学には入学すらできないとか、、、
まぁ昔の日本でいう身分制度とはあまり変わらない状況だったようです。

イギリスのこういう階級制度というのは昭和になっても名残があったようで、
昭和の時代にイギリスで仕事をしていた昔の同僚もそう言っていました。
階級によって酒を飲む場所まで分けられていたというような話も聞いたくらいです。
肉体労働者が集まるフロアで酒を飲んでいると、ホワイトカラーばかりのフロアで酒を飲まされたらしいです。

これって、江戸時代の日本も含めて、生まれながらに身分や階級が決まっているために、本人がどれだけ願っても努力をしても、
例えば農民の子が事業家として成功するとか
石切り場の人夫が俳優や歌手として成功するとか
貧しい家庭の子が医者や弁護士になって社会的な地位を獲得するとか
政治家や公務員、役人になって国のために働くとか
これらのことは夢のまた夢ということなんですよね。

そこで自由の国アメリカです。
ちょうど日本では幕府が倒されて江戸時代が終わり明治維新を迎える頃、
アメリカは独立宣言から90年ほどが経っていたはずです。
アメリカでは努力次第では大統領にだってなれる可能性がある。
たとえ身分や階級の縛りがある人でもアメリカへ行けば、どんな大学へ進学しようとどんな職業に就こうと、苦難はあるかもしれませんが
本人の努力次第で成功のチャンスが無限にある。
そんな自由な国へ行って成功したい。

そう考えた人達が色んな国からアメリカへ渡り努力の末に
・事業が成功して富豪になることができた、
・高い社会的地位に立つことができた
・歌手や俳優として成功し有名になった
それが本来のアメリカンドリームなのではないか
、、、と考えた次第です。

なんの不自由もない暮らしをしていた人が、アメリカへ行ったら成功して
優雅な生活ができるようになった・・・
それとは文化的な背景がまったく違います。
もちろん、それをアメリカンドリームと言っても良いのだと思います。
が、元々は身分、家柄、階級に縛られた人達から始まっていたんじゃないか。
それが本来のアメリカンドリームなんじゃないか。
そういうお話です。

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