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思い出話:高校での3ない運動

僕が高校生の頃、原付や二輪免許を取得したりバイクに乗ることを禁止されている高校が殆どでした。

あの頃というのは、暴走族も多かったですし実際に週末になると集会とやらに参加する生徒もいたものです。
ある意味で反社会的な行動をとって欲しくないという思いもあったのだろうと思います。
また、まだまだ未熟な高校生ですから、生徒が交通事故を起こす心配もありましたし、実際にバイク事故で死亡する高校生も少なくはありませんでした。
それならばということで、バイクの正しい乗り方を指導するのではなく、「禁止」 することによって生徒とバイクとの間にできるだけ距離を作りたい・・・
そういう教育関係者の考えは全国的に広まっていました。

それがやがて「3ない運動」 へと広がっていったのをご記憶の人も多いのではないかと思います。

免許を取らせない
バイクを買わせない
バイクを運転させない

これは後々社会的に問題視する人も多く存在するようになりました。
というのも、ただ「臭いものにフタをする」ようなやり方で一方的に
バイクを禁止しても、バイクに興味を持つ年頃の子供達は親や学校に隠れて免許を取ったり乗ったりするようになる。
そうなれば安全な乗り方を誰に教わることもなくバイクに乗るようになる。
そして事故につながる。
これが教育として良いことなのか?
逆に事故が多くなるのではないか?
正しくバイクに乗る事の大切さを教えることも大切なのではないか?
という声が上がり始めます。

僕の学校だけなのか、県下の公立高校で一斉にやったのか、
ある日、多分授業の一環だと思うのですが各学年ごとに交通安全に関する映画を視聴させられまして、、、
その内容がエグいというか、今だったら絶対に認められないような過激な映像を山ほど見せられたのでした。
映像の大半(というか全部)はバイク事故に関するもので、どの映像も実際に起きたバイク事故の事故後の写真を見ながら事故の内容やその後家族がどうしたかといった内容の映像でした。

ライダーは道路に倒れて、その手足はあらぬ方向に折れ曲がっている
道路にはおびただしい量の血が流れている
怪我が酷くて肉片が見えている

映像に出てくる事故とその当事者は皆どれも悲惨な状況で、しかも4時限目にそれをやったもんだから、
弁当の肉が食えなくなった・・・という生徒が大勢いたほどです。
いつまで続いたのか知りませんが、なにしろ3ない運動はかなり強烈でした。

今の高校ではバイクってどんな扱いになってるのか僕は知りません。
なんとなく、僕の時代の時よりはずっとバイクに乗りたい生徒は少ないんじゃないだろうかと想像してはいます。

バイクが社会の中では非常識な乗り物だと理解はしています。
危ない
贅沢
不経済
一般の人にとってはどうでも良い乗り物なんだろうとは思います。
でも、僕も含めてバイクなしでは人生が成立しない人がいることも事実です。
であれば、吸収力、気力、体力、学習能力の高い若い時に教育をしておいて、社会に出たらバイクに乗りたい人は乗る、そうでない人は乗らなければいい。
そういう仕組みがあってもいいのかなって思います。
昔も今も、積極的に若い世代に交通教育をする仕組みはありませんし、
免許を取る時の教習所だけでは習う事のできないこと沢山ありますからね。
これはバイクでも車でも同じかなって。




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