アルバムが届いた
2023年7月4日。
私の手元に 「サーフブンガクカマクラ(完全版)」が届いた。
このアルバムは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが2008年にリリースしたアルバムである「サーフブンガクカマクラ」に収録されていた10駅分の楽曲の新録に加えて、足りていなかった5駅分の新しい楽曲を加えた「完全版」なアルバムだ。
私がアジカンを初めて聴いたのが「サーフブンガクカマクラ」で、私がアジカンのアルバムの中で一番好きなアルバムだ。そんなアルバムが再びリリースされると聞いたとき、とても喜んだ。
福岡に住んでいた高校時代に遡る。当時、藤沢周辺を舞台にしたライトノベル「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」(通称:青ブタ)シリーズにドハマりしていた私は、藤沢の地に恋焦がれていた。作品以外からも藤沢の地を感じたいと思った私は、藤沢に関するものを色々と探していた。
そんな時、Spotifyで出会ったのが「サーフブンガクカマクラ」である。
衝撃だった。
ロックバンドの楽曲をちゃんと意識して聴いたのも、アジカンの楽曲を聞いたのも、初めてだったからだ。
サーフブンガクカマクラを聴くと、湘南の地で掌編小説集を読んでいるかのような気分になれて、とても楽しかった。そんなアルバムがパワーアップしてやって来たのだ。嬉しい。
今回追加された楽曲の中で一番好きなのは「柳小路パラレルユニバース」だ。私が大好きな森見登美彦さんの小説をアニメ映画化したものである、映画「四畳半タイムマシンブルース」の主題歌である「出町柳パラレルユニバース」とメロディが同じである曲だ。歌詞もほぼ一緒だ。
私が特に好きなのはこの部分だ。
「出町柳パラレルユニバース」では「街の風」だったのに対して、「海の風」である。ここの部分を聴くと、頭の中で京都と鎌倉とがひとつなぎになる。京都と鎌倉で日々を生きている大学生たちが感じているものを共有したような感覚になる。そして、何故だか私の背中をポンっと押してくれているように感じる。
私はこのCDが擦り切れるまで聴き倒そうと思う。
そして、今年の夏は、このアルバムを片手に江ノ電に乗りに行きたい。
2023年7月4日 六原