2023/9/30

おばあちゃんの3回忌があった。
もう3年も経ったのかと不思議な気持ち。
あの時も同じ、暑いくらい雲ひとつない秋晴れで庭にはたくさんの秋明菊が咲いていた。
まだどこかにいて、玄関を開けたら出迎えてくれそうな気がしている。

この3年の間に私は引っ越しをしてお店に携わったり、
次女は仕事を辞めてやりたかったことをするために学校に入り、
三女は高校生になった。
いとこは結婚をして子供が生まれたし、
実家の飼い猫が病気で入院したりもした。
10年以上会ってなかった父方の祖父母にも会いに行った。

たった3年で環境は変わり続ける。

あんなにたくさんあったおばあちゃんの漬けた梅干しがもうあと3粒
これで本当に終わってしまうのかと思うと食べられなくてまとわりついた紫蘇ばかりを食べている。

この梅干しも、一緒に作ってくれる紫蘇ジュースも、素朴なバタークリームのロールケーキも、
おせちに入った艶々の黒豆も、初春すぐに作ってくれる筍のおひたしも、お裾分けでくれるおかずたちも、もう食べられない。

様々な手書きのレシピを眺めながら、なんで作り方教えてもらわなかったんだろうと後悔している。
たった3年でこんなにも情勢や環境が変わったりすることを知らなかった。

風が吹いて、がらんと空いた縁側を見る。
縁側に整列した梅干しの光景をずっと忘れない。


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