5年かけてたどり着いた、おうちでご自愛したい日のフィンランドごはん
どうして日本じゃ飲めないの???
この5年間、そう思って生きてきた。お酒ではない。とあるスープである。
🥣
なんだか疲れたなぁ。
そんなときに、ふと思い出すのはフィンランド旅行で出会ったサーモンスープだ。
あのスープが飲みたい。
スプーンですくうとサラッとしているミルクのような液体。口に含むと、濃厚なサーモンの旨みが一気に広がって、思わず「うまっ」と声がこぼれてしまう。ほんのりと鼻腔を通るディルの香りもいい。
フィンランドに到着した日、長時間のフライトで疲れたわたしの体に染み渡ったスープは、5年経った今でも大好きな食べ物である。
が、しかし。どうしてか日本では気軽に飲めない。
サーモンスープを食べられるお店が家の近くにない。調べても日本でフィンランド料理を出す店は数十軒ほどだ。少なっっ!
いやいや、北欧といったらIKEAでしょ?結構お店あるよね?と思うけれども、IKEAで食べられるご飯は、正確にはスェーデン料理である。フィンランドご飯を食べられる機会は、日本にいると限られてしまう。
じゃあ自分で作るしかない!と、2019年から研究を重ねることにした。
ときにはフィンランド人の先生と日本〜北欧をオンラインで繋いで料理を教わり、フィンランドで留学経験のある日本のシェフからもレシピを聞き出したり、前のめりでサーモンスープやフィンランド料理を作り倒した。気がつけばレパートリーが増えてきた。
そして何度も、フィンランドご飯に疲れた日々を救ってもらった。
素朴でおいしい。栄養価もある。材料は見慣れないものあるけれど、日本人の口に合う。このおいしさをみんなに届けたい!!!と思い、これまでに試行錯誤を重ねてできあがった、フィンランドに誘うレシピを3つご紹介します。
どうか毎日お疲れのみなさまにとって、どれか1つでも心を癒すものになりますように。
なぜ、フィンランドご飯が"疲れ”に効くのか
申し遅れました。フィンランド旅行をきっかけに、北欧をこよなく愛しているRokoと申します。フィンランド料理がなぜ癒されるのか、疲れに効くのか、医薬品の営業経験があるわたしなりの考察を書き留めます。
◾️EPA豊富な食文化
フィンランドの食事は、野菜や魚が中心になっています。特に、魚。実は、魚油にはEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれており、これが医学的にも身体にいいと言われています。
EPAは体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」の一種でして、血液をサラサラにしてくれたり、中性脂肪を下げてくれたりもします。すでに日本では魚油(EPA)が、医薬品としても販売されています。
また、魚を多く食べる人はうつ病にかかりにくいという論文も出ているため、心も身体にも癒し効果抜群なんです!(なんて、優秀なんでしょう…!)
すみません…。EPAの医薬品を売っていた経験もあるもので、熱く語りすぎました。
◾️ディルは気持ちをなだめてくれる
ディルは北欧ではポピュラーなハーブで、爽やかな香りが特徴。また、味のクセが少ないので、素材の味を邪魔しません。
ディルには、精油成分であるカルボンが含まれており、胃腸の機能を高める効果があります。
また、北欧で「なだめる」という意味がある通り、イライラを抑えてくれる効果も。新緑を彷彿させる香りは、心穏やかにしてくれます。(当事者比)
……すみません。堅苦しくなりましたね。
早速、レシピにうつります〜!
レシピ公開
ディル畑へいらっしゃいフレッシュサーモン 難易度:★☆☆
(サーモンのデイル&塩漬け)
※サーモンはノルウェー産がオススメです
【作り方】
1) サーモンの表面に岩塩やグラニュー糖、ホワイトペッパーを振りかける。
2) 1)にディルをたっぷり乗せる。
3) ラップで密閉し、アルミホイルで包む。
4) 冷蔵庫で1日置く。(重石になるものを乗せると良い。)
5) 1日置いたサーモンをうす切りにして完成。
簡単にフィンランド気分をたのしめるレシピ。お酒のおつまみや火を使いたくない夏場にもピッタリな1品です。
ちょっとしたおうちパーティーでも映えますし、何より塩漬けしたサーモンは絶品なので、一度は試してみてほしい。
ご自愛サーモンスープ 難易度:★★☆
【作り方】
1) じゃがいも、人参、長ネギ、玉ねぎを細かくきる。
2) サーモンはお好みの大きさにきる。
3) 鍋に1)の具材と水を加え、沸騰させる。ブイヨンキューブを入れ、10分ほど煮込む。塩で味付けをする。
4) サーモンを入れてさらに5分ほど煮込む。
5) 最後に、生クリームとバター、ディルを入れる。
フィンランドのソウルフードの1つ。スープが主食になるため、たっぷりと器に注いで召し上がってください。パンを浸して食べてもたまりません〜!
日本にいても、フィンランドを感じられる1品に仕上がりました。
ほっこり和むヤンソンさんの誘惑 難易度:★★☆
【作り方】
1) じゃがいもをひたすら細切りにする。
2) 玉ねぎはみじん切りにして炒めておく。アンチョビは刻んでおく。
3) 盛り付けるお皿にバターを薄く塗る。
4) 細切りにしたじゃがいも1/3をのせる。その上に玉ねぎ1/2、アンチョビ、じゃがいも、玉ねぎ、アンチョビ+刻んだバター、じゃがいもと順に重ねていく。
5) アンチョビとバターを乗せる。
6) 生クリームを回し入れる。
7) パン粉をかける。このときに、具材を少しお皿に押し付けて平らにする。
8) 200℃のオーブンで30分焼く。
「ヤンソンの誘惑」と呼ばれるこのレシピにはいくつか由来があります。
ヤンソンさんは、絶対に肉や魚を口にしない菜食主義者。彼は、このカリッと焼けた美味しそうな料理を見て激しく心が揺れてしまい、思わずペロリと平らげたそう。
1番有名なこのエピソードも味わいもほっこりしてしまう1品。フィンランドだけでなく、北欧で長く愛されている料理です。
余ったディルどうする?問題
北欧料理に欠かせないディルですが、これがよく余る。そんなときは、ぜひとも日常の料理や飲み物と合わせてほしいです!
わたしのベストなディル活用レシピはこの2つです。
◾️ほうじ茶×ディル
急須にお茶の葉とディルを1杯につき1本入れる。
熱湯を注ぎ、煮出したらコップに注ぐ。
ディル特有のさわやかな風味と香ばしいほうじ茶は相性がとてもいいです。
◾️オムレツ×ディル
オムレツとなる卵液の中に、ディル、ローズマリー、バジルを合わせる。
まるで、ハーブの宝石箱のようなオムレツに仕上がります!
ご自愛くださいませ
北欧料理は全体的に素材の味を感じられるものばかり。やさしい味付けは、疲れた身体に染み渡ります。
毎日、疲れたなぁ〜と感じたときにこのレシピを作っていただけるとうれしいです。
料理をする元気がないとき、まずはとことん自分を労ったり、たっぷりと寝たりとご自愛くださいね。
わたしは、サーモンスープを飲むと必ずフィンランド旅行のことを思い出します。そして、この料理を作る時間では、作り方を教えてくれた人たちの顔やこれまでの試行錯誤したときの記憶がよみがえり、胸があたたかくなります。
料理に記憶が根付いているのも、心が満たされる理由の1つかもしれません。
ぜひ、このレシピを保存して夏でも冬でも、癒やされたいときに召し上がってください。少しでもフィンランドを感じていただけますように!
ここまで読んでくださって、kiitos🇫🇮
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