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思い立って資格を取るまでのお話(27)

コツをつかんだら楽しくなった

 やはり「言語」に比べて「造形」のほうが練習に時間を使っている。3つから選択する際に「造形」が避けられる理由としては、「練習時間」と「試験にかかる時間」もあるようで、確かに自分で訳もわからず「こんな感じかな?」で練習していたときは、手が痛くなるので1日1枚描くのが精一杯。もっといろんな場面や小道具や姿勢を練習しておきたいのに、と思っても、やりすぎると今度は腱鞘炎で本番に全力投球できないことになる。
 そこで、テキストの「ポイント」と、自分がこれまで訳もわからず描いていたものとを見比べてみる。
 人物が大きめに描いてあり、床(その他背景)の面積が比較的小さめになっているものがある。
 私が描いたものは「全身を描かなくては」と思うあまり、人物がこじんまりとしている。結果、背景が占める割合が広くなり、大きく塗る部分が多い分、時間もかかっているようだ。
 また、「消しゴムを使っていた」こと。鉛筆で何となくの構図を決めている時間はないから、と、最初から各色ごとに輪郭描きと塗りつぶしをしていたが、これだと、子どもの服でピンクを使う。他の箇所を描き進めてまたピンク、と、同じ色を何度も登場させることになり、「もったいない」。同じ色なら一度の登場でまとめて塗るほうが時短になりそうだ。
 そのうち、「しっかり輪郭を描いたうえで着色」する方法があると知り、茶色で何もかもを描いてから各色で塗りつぶす、という行程にしたが、これでも、構図を誤ってしまったり、一発勝負でうまく描けなかったところを書き直すことが多発したりで、非効率。
 じゃあちゃんと構図を決めたほうがいいなと、鉛筆で簡単に枠を描いてから輪郭を描くようにした。ところがこれも、着色前に鉛筆の線を消す必要があり、そのときにいくら消しゴムを軽くかけても、一緒に輪郭線が薄くなってしまう。この輪郭線を引きなおす行程も省略できれば、時短になる。
 
 そうだ、こんなときに実例の動画はないかなと、Youtubeで「実技・造形」のものを探してみる。すると、作戦としてはだいたいこう。
 
 ・消しゴムを使わないこと
 ・鉛筆も使わないこと

 消しゴムを使わないのは、自分でも実践していた。色鉛筆はそれ専用の消しゴムであっても、薄く残ってしまう分、仕上がりにも影響が出るなとは思うので。
 もうひとつ、鉛筆も使わない? ならば、どうやって構図決めをするのだろう? 何となく枠決めをする(描いておく)とあるのに?
 答えは、「薄い色でごく軽く」描くこと。理想としては黄色がいいらしい。保育の場面が「温かみのある場」であることを前提にすると、輪郭線を黒ではなく茶色で描くと線が強すぎず周りと濁らずいられる。黄色だと茶色とも、室内あるいは屋外で使われる暖色系の色とも調和する。たとえば水遊びなど寒色系が見込まれる場合なら、そのときは黄色よりも水色などがいいかもしれない。
 
 その動画の投稿者が自分の作品もあげていたのだが、あれ? 思ったよりも人物が小さめかな? と感じた。実際その人が受験した時と同じテーマで描いたもので、そのときよりも今のほうが上手、とその人自身が自己採点していたが、だとしても、なかなかの高得点を取れたらしい。
 とにかく条件を満たしていること。ちゃんと「何をしているか」がわかること。
 筆記試験で合格点に達していればいいのに満点を狙わないと気がすまなかった私。実技も、絵をうまく描かなければと考えていた。テキストの解答例を見て「ここまで描けないや」と、自分にがっかりした。
 当然だ、だってテキストにあるのは「お手本」なんだから。うまくて当たり前だ。もしかしたら45分という時間を大幅にはみ出しているかもしれない。それよりも、「お迎えのシーン」なら、ちゃんと「お迎えだとわかる」ように描かなければということ。私が自分で設定を追加して描いたのは、親子(と見られる)2人がギューッと笑顔で抱き合っているところだけど、これが「朝、送ってきて『いってらっしゃい代わりのギューッ』」と言われると、そうとも受け取れる。明らかに「帰ろう」としている場面が描かれていない。
 丁寧にきれいに描くことも大事だけど、その前に「しっかり条件を満たすこと」を考えなければいけない。恐らくここが、「造形」の合否の分かれ目ポイントになるような、そんな気がした。
 でも、構成なども含めてささっと描くコツがわかってきたら、上手・下手は関係なく、絵を描くのがだんだんと楽しくなってきた。最初は不安に思っていた手首の具合も、1つの色で広く塗る背景(特に床、地面。水遊びの場面なら水)をあまりたくさんにしないことを意識したら、何とかなりそうだ。
 現時点では、1日あたり2枚は余裕で描け、練習だけなら数をこなせるようになった。が、試験直前、すっかり忘れ去っていたあいつが、またやってきた。 
 
 (★)このコツを知ってから、一度過去に描いたテーマももう一度描いてみた。あくまで個人の実感だけど、格段にうまくなった!! そして、描いたものを自分の子どもに見せてみた。
「あ! 水遊びだ!」
 やった、わかってくれた!! 登場する子に名前をつけていたわけじゃないけど、
「この水鉄砲持っているのが○○で、これは、おかーさん!」
 私だと思って描いたわけじゃないけど、ちゃんと大人だとは認識してくれたのね(泣)
 

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