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販売担当者への与信権限の明確化

[要旨]

販売担当者には、取引先への掛販売額の権限を持たせることで、販売活動の最終的な目的は、利益を得るということを意識することができるようになります。このことで、不採算な取引を回避したり、販売先の業績の良し悪しを意識したりするようになるでしょう。


[本文]

前回、事業を拡大すれば、売掛金回収もれなどのリスクも増大することが明らかな一方で、リスクへの備えをする中小企業経営者の方の割合が少ないということを述べました。それでは、具体的にどうすればよいのかということを述べたいと思います。そのひとつは、売掛金が発生する事業では、販売担当者への権限を明確にすることです。例えば、一般の従業員は取引先1社あたりの掛販売額は100万円まで、課長は500万円まで、部長は1,000万円まで、それ以上は社長決裁という権限を明確にすることです。

もちろん、決裁額は事業の状況によって増減させるとよいと思います。さらに、例えば、信用調査会社のデータベースを活用し、評点が60点以上は、前述の与信額を2倍にしたり、50点未満は半額にしたりするということを行うと、より機動的になると思います。そして、いったん決めた決裁可能額の妥当性は、適宜、状況を見て修正していくとよいと思います。

それでは、このようなことをして、売掛金回収もれが減るのかということですが、私は、従業員の方への意識付けに効果があると思います。販売担当者に、販売額だけの目標を与えていると、無理な販売活動を行い、利益の薄い販売や、業績のよくない会社への多額の販売をしてしまうことも起こりえます。しかし、決裁権限を与えることで、自分の活動の目的は、単に、販売額だけでなく、最終的な利益にあるということを意識することになるでしょう。こうすることで、売掛金が未回収となるような販売活動を抑えることもできるようになるでしょう。

2022/1/21 No.1864

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