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融資のコツ―制度融資の活用

[要旨]

自治体の用意している制度融資には、売上が減少している会社への資金繰支援、業種転換、雇用環境改善、海外進出、女性活躍推進など、さまざまな目的のものが用意されていますので、自社が融資を必要とする理由と合致する制度融資を見つけて活用すると、銀行からの支援を受けやすくなります。


[本文]

私が、融資のご相談を受けて、ご支援をするときのコツのひとつは、制度融資を活用することです。制度融資には、広い意味では、さまざまなものがありますが、ここでは、狭い意味での、自治体の定めた制度融資を前提に説明します。例えば、現在、多くの中小企業が、コロナ禍の影響で売上が減少していますが、そのような中小企業を支援するために、各都道府県で、コロナ感染症対応の無利子融資の制度融資が用意されました。(ご参考→ https://bit.ly/38IluLS

もし、このような制度融資がなかったとしたら、売上が減少した要因、今後の業績を回復させるための対策と、収支見通しなどを説明し、銀行に納得してもらわなければなりません。でも、コロナ感染症対応の制度融資は、今後の業績見通しなどについて、銀行からきかれるかもしれませんが、売上減少で資金繰が苦しい会社を支援するための融資ですから、銀行や信用保証協会は、売上が減少したことを理由として、融資(保証)を断ることはあまりないでしょう。

別の例では、補助金に対応した制度融資も、補助金が採択された会社にとっては有用です。例えば、「当社が申請した補助金の申請が採択されたので、その補助金が交付されるまで、つなぎ融資を受けたい」と銀行に依頼するよりも、「補助金が採択されたので、補助金に対応したこの制度融資を利用したい」と銀行に依頼する方が、話が円滑に進むでしょう。(ご参考→ https://bit.ly/3c8q8DU )なぜなら、銀行としては、単につなぎ融資を依頼されるよりも、自治体が補助金の採択を受けている会社を支援しようとして制定した制度融資を使う方が、融資をすることの大義名分をつくりやすいからです。

制度融資は、この他にも、業種転換、雇用環境改善、海外進出、女性活躍推進など、さまざまな目的のものが用意されていますので、自社が融資を必要とする理由と合致する制度融資を見つけて活用することをお薦めします。もし、制度融資をなかなか見つけられないという場合は、自治体の制度融資担当部署や、取引銀行、融資支援の専門家にご相談してみるとよいでしょう。

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