セブンイレブン+ダイソー+ロフト
[要旨]
製品開発力に定評のあったセブンイレブンが、敢えて、ダイソーやロフトなど、他社の商品を販売し、売上を増加しています。この事例から分かるように、現在の利益の源泉は、製品開発力にあると考えることができます。
[本文]
流通ジャーナリストの森山真二さんが、ダイヤモンドオンラインに寄稿した記事を読みました。要旨は、セブンイレブンの一部の店舗に、100円ショップのダイソーの商品と、バラエティーショップのロフトの商品が販売されているというものです。森山さんの記事には書かれていませんが、ダイソーの商品を販売しているセブンイレブンの店舗は、売上高が10%増加しており、この戦略は成功していると言えるかもしれません。
しかし、私は、長期的に考えれば、このような戦略は、自社の収益機会を減らすことになると考えています。ダイソーの商品を販売することで自社の売上が増えたとはいえ、そのことは他社の収益機会も増やしているからです。もし、他社の力を借りず、自社の商品の魅力を高めれば、収益機会をすべて自社のものとすることができたでしょう。
セブンイレブンのウリは、前回の記事で書いた業務スーパーと同様に、製品開発力であると言えるでしょう。そして、同社が、いままで、他社商品を販売して来なかったのには、私の考えと同様の理由があったからでしょう。それにもかかわらず、そのセブンイレブンが、他社のブランドの力を借りたということは、従来の考え方は百も承知の上で、それなりの理由があって判断したと考えられます。
したがって、この戦略の妥当性は、ここで結論付けず、しばらく推移を見てから判断するべきでしょう。ところで、今回、私が森山さんの記事を引き合いに出した理由は、ダイソーやロフトの製品発力が収益の源泉になっているということです。それは、業務スーパーと同じ論理です。令和の時代は、生産力や販売力ではなく、この製品開発力が最も大きな効果を発揮する時代だと、改めて感じました。
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