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路地裏ラジオ第二夜

 この記事のTwitterスペースラジオは7月31日にライブ配信したものです。


【お品書き】
・物書きのツール
・作業環境
・好きな小説家のおすすめ一選


物書きのルーツ
現在、物書きとして、様々な小説を発信している槙島驟と湿度文学。何故、彼等は小説を書き始めたのか。そのルーツとは?

湿度: 特にこれといったルーツはないです。小さい頃から漫画を書いたり、物語を書くのが好きで、何となく小説に発展していきました。
ただ、今の作風になったのは、散歩が影響しているのかな。夜に高円寺とか、三軒茶屋とかを散歩するのが大好きで、いい路地裏があると、ふらっと入っちゃう癖があるんです。路地裏を歩いてると、ここに能面付けた人が立っていたら気持ち悪いよな、とか、羊のお面を被った男女が踊ってたら不気味だよなーって思ってて。別のアカウントなんですけど、その光景を140字小説にしてみて、Twitterに投稿してみたら似たような嗜好の方々がいっぱいいらっちゃって、「あ、皆こういうの求めてるんだ」と思って、今の作風になりました。嬉しくて今の作風のものを書くようになった。

槙島:私は元々生粋のダンサーでして。3歳から15歳までクラシックバレエでは全国コンクールとか、プロの方と共演させてもらったり、そのあとfreestyleに転向してからはイベントオファーや友人ダンサーの作品にゲストで出たりとかしていたんです。
しかし2020のコロナでそれまでで頂いていたイベント等の依頼が全滅で。今までずっと自己表現をしてきた私からするとその場を奪われてしまったのがストレスで仕方なくて。インスタのストーリーで詩みたいなのを書いてたら、友人がこれがどんなお話のワンシーンで、どんな人が誰に向かって言っているのかお話由一見たいって言ってくれたのがきっかけです。


作業環境
物書きにとって、小説を書く環境はとても重要。静かな部屋? それとも、騒がしいカフェ? 音楽を聴きながら? 槙島驟と湿度文学。彼等はどのような環境で作品を生み出すのか?

槙島:私は感覚というか、キーワード、ワンフレーズでもなんでもいいのでスマホのメモ機能に書き溜めてあります。ここから話を展開させることは結構ありますね。
題材が決まったらざっくりワンシーンを殴り書きします。そこで書かれたことって大体一番読んでほしいシーンなことが大半なので。
本文を書くときはエブリスタで書きます。ページ分け、章分けできるのでやりやすいですね。パソコン、iPad、スマホで書きます。iPadの時はタイプライター式キーボードを使ってやる気をあげています笑
ある程度お話がかけたらプロットを整理して矛盾や時系列、意味が通っているかを確かめて、世に出す前は姉や友人に校閲みたいな感じで読んでもらって誤字脱字や読み心地みたいなものを見てもらってから出してます。

湿度: 主に家の近くにあるドトールで書いてます。
文章書く前に、自分が「湿度文学。」になる為の暗示みたいなのをやってます。そんな特殊なことをやっているわけではないんですけど。まず、ネタになるものとか、アイディアが思い浮かびそうな小説を読んだり、裏モノ系のルポを読んだりしています。で、1時間ぐらい読書してから、一本、アイコスを吸うんです。元々ピアニッシモを吸ってたんですけど、臭いが服に付くのが嫌になっちゃって、アイコスに変えました笑 で、アイコスを吸って、「自分は湿度文学。である」という暗示をかけてから、書き始めるんです。
後、音楽は聴く時と聴かない時があるんですけど、聴く時は、「羊文学」というバンドの曲を聴きます。日常を切り取って歌にしたような歌が多く、とても心が落ち着きます。実は「湿度文学。」の「文学」という部分は、羊文学さんをリスペクトして名前に入れました。その美しい歌声を聴きながら、スマホの「メモ」に小説を書いています。


好きな小説家のおすすめ一選
湿度: 自分は、誉田哲也さんっていう作家が好きなんです。彼の有名な小説だと、ドラマ化もされた「ストロベリーナイト」って作品があるんですけど。
彼が書いた小説で、お勧めの作品は「歌舞伎町セブン」です。歌舞伎町を舞台にした殺し屋集団のお話。歌舞伎町で都市伝説となっている「歌舞伎町セブン」という7人の殺し屋が、表世界で裁きを逃れた悪人を、歌舞伎町の秩序を保つ為に殺すというお話。
自分はだいぶ彼の作品に影響されていて、警察官の汚職だったりとか、死体掃除屋だったりとか、殺人鬼だったり、湿度文学。の大好きなアングラな話がいっぱい詰まっているので、もし自分の作品を好きでいてくれる方がいたら、このシリーズもお薦めかなって思ってます。
また自分の作品に「深海X」という街の秩序を守る集団がいるのですが、歌舞伎町セブンに影響されて作っちゃいました笑

槙島:一番好きで仕方がないのは乙一さんのGOTH-僕の章-「土」です。このGOTHシリーズは短編集なんですが、全く違うお話の寄せ集めではなくて、例えるなら一話完結型のアニメ、そういう感じです。一貫して出てくるキャラクターはいるんですけど、毎話フォーカスされるキャラクターが違います。ジャンルでいうと、ミステリー、ホラー、サイコホラーにあたるかと。
この作品はオチがとにかく凄くて。決してどんでん返し系ではないのですが書き方が上手いんです。純文学とかって事細かに事象を説明するのって野暮だと思うんですけど、そのあえて「書かない」ラストのあと引く感じが最高です。


宣伝
湿度:湿度文学。の本、3冊目がAmazonで売っているので、お話聞いて気になっている方がいたら、宜しくお願いします。1冊目から読んでくださった方が分かりやすいので、アングラ好きの方は是非。

槙島:エブリスタ内超妄想コンテスト、お題雨音にて「君があまりに消えそうだから」をエントリー中です。(このコンテストは8月末に終了し、現在槙島のnoteで閲覧できます)
また、ダンスイベント、グリコNight!にて友人ダンサーの奨一がソロで出演。その音源の書き下ろし詩、朗読という斬新なステージのご依頼をいただきました。奨一のInstagramにて作品が閲覧できます。(槙島のTwitter、noteから飛んでいただけます)
さらに、長編連載小説「ペンが書けなくなるまで」が毎週金曜日20:00更新されています。一話が大体1,000〜2,000字で読みやすいので是非。


 第二夜は、初回よりは緊張が解れたものの、やはりまだまだ心臓ばくばくでのラジオでした。「スペースでツイートの共有」という、新たな試みも行い、路地裏ラジオとしてのあり方を模索するようなとても素敵な夜でした。
 では、また。アーカイブ第三夜でお会いしましょう。
筆:湿度文学。

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