【山田正亮】水彩画 / 抽象絵画 / 査定 鑑定 買取 致します
山田 正亮
紙に水彩・パステル
◎山田 正亮の芸術
山田正亮（1929-2010）は、日本の抽象画家としてその独自のスタイルで知られています。彼の作品は、特に「Work」シリーズを通じて、絵画における色彩や構造に対する探求が評価されています。1950年代から1990年代までの長期にわたり続けられたこのシリーズは、山田の画業の中心を成しており、抽象的な色面やストライプの連続によって表現された作品群です。
山田の初期作品は「Still Life（静物）」シリーズであり、瓶や果物などのモチーフを描きながら、次第にそれらを抽象化していきました。このシリーズは、彼の後の「Work」シリーズへの移行の過程を象徴しています。1956年から始まった「Work」シリーズは、当初は多色の複雑な構造を特徴としていましたが、次第に色が削ぎ落とされ、1960年代にはストライプ模様や単色の画面が現れました。特に白一色の作品や、その後の再び複数色を用いた作品が彼の画風の変遷を示しています。
1995年に「Work」シリーズを終えた山田は、1997年から「Color」シリーズに取り組みました。このシリーズでは、キャンバスを一色で塗りつぶしつつも、その下層に複数の色彩が潜んでいるような、微妙な色の重層性が特徴です。このような制作手法によって、平面的な画面でありながらも奥行きや深みが感じられる作品が生み出されました。
山田は美術の潮流から距離を置き、独自の探求を続けた孤高の画家として評価されています。その作品は、1970年代から90年代にかけて高い評価を受け、国内外の多くの美術館で展示されました。また、彼の回顧展が東京国立近代美術館や京都国立近代美術館で開催され、再評価の機運が高まっています。
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