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自分を変えられるのは自分だけ。

私はクリスマスが大好きだ。
毎年1人でブッシュ・ド・ノエルを作って暴食をし、クリスマスソングを流す囁かな夜を過ごす。
街の賑わいもイルミネーションも音楽も全て心を弾ませてくれる。

今年は母が仕事先のケーキを買ったので作らないことにした。
毎年の恒例が無くなって、クリスマスイヴであることを忘れていた今日。
いつものように大学の講義を受けて課題を消化して、いつの間にか夜になっていた。

用事があったので外へ出る。
人は全くおらず、マンションを見上げると色とりどりの灯りでイルミネーションのようだ。
みんな今頃楽しんでいるんだろうなと思うだけで頬が緩む。

用事を済ませて帰宅していたところ、中学校のある一室だけ電気がついているのが見えた。

あぁ、こんな日まで残業か。
私の恩師だ。
色んなお偉いさんを務めているらしくいつも遅くまで働いている。

年内に会いたかったのだが、連絡を忘れていて休校に入る寸前だった事に気付いた。
本当は連絡しなければいけないから行くのに戸惑った。

とりあえずコンビニで暖をとって考える。
賭けにコーヒーを持っていこう。
会えたらコーヒーは飲めないけどきっと良い話ができる。

美術室のドアをノックをすると返事が聞こえた。
「メリークリスマス!」と大袈裟に出迎える。
20時を過ぎていたが「全然良いよ~。」と入れさせて貰えた。

コーヒーを渡してから、これからの話をした。

工学部から経営学部に転部すること。
自分の知識や経験で人に提案する仕事がしたくて、主に経営戦略や社会人マナーについて学びたい。
あと、デザインが好きで経営の履修にもあるから学びたい。
そして、いつか生きづらい人達が集えるカフェを開きたい。

工業を勉強していることをよく賞賛されていたから、その分進路を変えることについてなんと言われるか恐かった。
あちこちに向けてた視線をゆっくり戻すと
「いいんじゃない?」
あっさりと受け入れられて唖然とした。

恩師も老後はカフェを開きたいそうで、様々なアドバイスをくれたが、1番得られたことはそこじゃない。
この人はいつでもありのままを受け入れてくれて、それが嬉しくて私もそうなりたかったことを思い出した。

高校の時、茶道部をしていた時のこと。
ルールが山ほどあって、それを後輩に教えるのが難しい。

私が先輩に教えられて1番覚えやすかったのは何かを考えると、自分で考えさせられたことである。
私も同じように手順をすぐ教えたりはせずに、動作の意味のみを教える。
時間はかかるように見えるけれど、覚える早さはこっちの方が早かった。

退部する時の色紙には「丁寧に教えてくれて、親切に相談に乗ってくださってありがとうございました。」と数少ない部員だったが、皆書いてくれてて泣きそうなくらい嬉しかった。

いつしかこんな自分を活かせたらなと考えるようになった。
一人一人と向き合って、考えさせる機会を与えて援助できたらと。
今も詳しい職業は考えられてないけれども、ちゃんと転部できたら視野を広げて色々探してみたい。

経験を詰んだ後は、本当はなりたかったカウンセラーになってカフェを開き、居場所のない人を援助できたらと思う。

1年前の自分は夢を持つのは悪だと思っていた。
現実主義の親は高収入な良い会社に入りなさいと言っていた。
親の言いたいこともわかるが、私には合わなかった。

成果と名誉が欲しい人なら合っていたのかもしれない。
私の場合どんな小さな会社でもいいから自分の大切にしていること、得意なことを活かしたかったから。
親のせいにできても、自分を変えられるのは自分しかいない。
手遅れになる前に気付けて良かった。

今年のクリスマスはケーキを沢山食べられなかったけど、1人と1人が集まって暖かな話ができた。
本当に良い締め括りだし、良い年だった。
煌めきを取り戻して、やっと産声を発したような気持ちだ。
今年の豊富など考えたことなかったが、来年は沢山したいことがあるから今から書き出すことにする。

良い夢を。

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