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失うは代償
3年前の私が高校1年生の頃の話。
工業高校に通っていたため、女子は少数でクラス合わせて奇数だった。
のが偶数に変わった夏。
私のクラスの女子は4人で2人は同じ運動系でもう一人はギャル。
文化部の根暗な私には到底合わないが必然的にギャルと共に過ごすことになった。
そのギャルは隣のクラスの子とも話せれて、私もそれを通じて隣のクラスの”君”とも仲良くなった。
選択科目の美術が一緒で、移動はよく君としてた。
一緒に、試験勉強をしたり、たいやきを食べたり、ゲームをしたり。
部見学や生徒会の見学も一緒に行ったりしたな。
結局私はアルバイトをしなくちゃいけないという理由で入らなかったけど。
これも入っておけば自分のためにもなったし、少し後悔している。
入学当初は女子が群れてて大丈夫だろうかと思ってた。
大丈夫そうだと思った。
思い続けてしまった。
案の定崩れ始めていたことに私は気づかないでいた。
ギャルは何が気に入らないのか君のことをいじめの標的にしてたらしい。
今思えば一人で行動するところを見るようになったし学校にも段々来なくなった。
最後の方に言っていた言葉を3つ覚えている。
1つは、体育の競技選択する時だった。
私はいつも通りなんとなくギャルと同じ種目にいた。
「こっちおいでよ~」
私は君のことの方が好きだったけど、ギャルのペアはいなくなってしまうし、行ったら文句言われると思って行かなかった。
2つは、
久々に学校に来て美術の授業中に話しかけると、
「私は女子の中で一番だと思う。」
なんだそりゃー と思いつつ「?そっかぁ。」だけ返した。
きっと、そう思わないと自分を保ってられなかったんだね。
3つは、
体育の着替えの時
「夏休み話したいことあるんだけど時間ある…?」
この時私は依存している彼氏がいたから、
「ごめん彼氏と会う日が多いかもだけど作ろうと思えばあるよ」
それに対して
「うわーリア充かよ~」
これが君と会話した最後の日だった。
lineを入れても返事は来なかった。
夏休み中は相変わらず彼氏にべったり。
両親の離婚もこの時で、父の方について行きたかったのにちゃんと言えず、母の方に行くことも後悔している。
けどそれよりも後悔していること。
君の心と向き合わなかったこと。
悪口を言われているのを一度見たことがあったが、それでも強く言い返していた。
おぉ、すごいなと呑気に思っていたけど、その事態がどれだけのことか知らず、学校に来なくなってしまうほど本当は辛かったんだ。
二学期になると、他の女子は「やった!偶数になった!」と言って喜んでいる。
この時全てを悟った。
女子が今までしてきたこと、君がSOSを発していたこと。
気付けなかった私もこいつらと同類だということ。
これ以来女子と深く関わることをやめることにした。
そしたらギャルは私をいじめるようになった。
同じクラスの運動部の子とも軽く会話はしていたがそれを遮るようにされたり、暴力はなかったものの昔から言葉の暴力に弱かったため辛かった。
それでも、こんなやつらと仲良くするよりはマシだと思い、一人でも大丈夫だった。
ありがたいことに男子の友達や先輩がよくしてくれていた。
それなのに先生はその様子に気付いて仲直りさせられた。
それからギャルとは3年間一緒に過ごしたけど毎年何故かいじめられる。
いじめられてない時でも、度を超えた礼儀もない言葉を言われ続け散々な3年間だった。
きっと代償だったのだろう。
いじめられてる時や、修学旅行や、あらゆる行事があるたびに、
君がいてくれたらどんな困難も乗り越えられただろうな。
君が今ここにいたらすごく楽しかったんだろうな。
そう思うたびに後悔や罪悪感に打ちのめされて、
私って本当に馬鹿だな、どんくさいな、ぼーっとしてるって周りに言われるのもこういうところなんだろな。
でも、これがあったおかげで他人の目線に対して強くなれた。
今いる大切な仲間を大事にできるようになった。
少しはしっかりしようって意識を持てるようになった。
大学はまだ始まってないけど、同じように女子は少なく、ちょっと怖そうな人もいる。
君が教えてくれたことあと一つができていないからそれが出来たらいいな。
おかしいことはおかしいって言える誠実さと堂々さを。
今でも街のどこかにいないか探している時がある。
たった3ヶ月の思い出を成長に変えて、すれ違うように君に会いたい。
その時は誕生日にくれたブラックサンダー一箱を嫌がられても倍返ししよう。
勝手にいなくなった君への代償だ。
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