Mリーグ 1/6の観戦記振り返り

1月6日に行われた、大和証券Mリーグ・第2試合の観戦記を書きました。

記事の反応が伸びているのは、間違いなく、対局内容がすごかったからです。今回は自分としてもいろいろなことを考えながら書いたので、振り返りを久々にnoteでまとめてみることにします。

わずかな憂鬱と大きなモチベーション

試合直後、僕はこんなツイートをしました。

観戦記を担当する試合が、内容が濃くてメチャクチャ面白かったとき、僕は少しだけ憂鬱な気持ちになります。こういう試合の観戦記を書くのは、いつも以上に時間とエネルギーを必要とするからです。試合を楽しんだ人にとっては「面白かったね」「すごかったね」でいったん区切りがつきますが、僕の仕事はここからが本番。皆さんと同じ、あるいはそれ以上の熱量を持って試合を観戦した後に、さらにめちゃくちゃ頑張らないといけないわけです。しかも、翌朝までに納品しなければいけない。「マジか・・・」ってなります。

だけど、そんな少しの憂鬱を吹き飛ばすだけの大きなモチベーションも、そこにはあります。「こんなにすごい試合を書けるんだ」という喜び、「この面白さを多くの人に伝えたい、追体験してほしい」という願い、「僕の記事を多くの人が待っている」という責任感です。それが、上記のツイートになりました。

納品を終えて「納品ぬ」ツイートをしたのは、午前5時35分。まあ、こんなもんでしょう。覚悟さえ決まっていれば、あとは僕次第。どうとでもなりますし、どうにかします。

ちなみに、キンマwebの観戦記はどんなに時間をかけようと、単価は一緒です。稼働時間や時給単価だけを考えれば、短く済ませた方がいいのです。でも、どれだけ時間をかけようとも、最後まで書き切りたいと思う試合があります。それがこの試合でした。

いつもと全然違う記事

先日、僕は「麻雀観戦記の書き方について」というnoteを書きました。

https://note.com/rogfile/n/n4899bb690fc0

この中で、僕が観戦記を書く上で意識している、いくつかのことを記しています。

・できるだけメインの選手は一人にしぼる

・タイトルに選手の名前を入れる

・文字数はあまり長くしない、2000〜2500文字程度を想定

これ、今回の観戦記には全て当てはまっていません。先に文字数のことに触れると、今回納品した記事は、タイトルとかもろもろを全部含めて、4760文字ありました。普段の倍です。それだけ書きたいこと、書かなければいけないと思ったことがたくさんあった、ということです。

上記は自分ルールとしてある程度定めているものですが、それを絶対のものだとはしていません。書きたいのにルールで遮られ、結果熱のこもらない記事となってしまうのは、本末転倒ですし読者の方にも失礼です。その辺のコントロールは、キンマwebサイドからのストップがない限り、こちらで自由にやらせてもらっています。

決められないメイン選手

今回の試合に関しては、メインの選手を絞ることは、どうしてもできませんでした。勝ったのは瑞原選手であり、観戦記では勝った選手がメインになることが多いのですが、この試合の最大の見せ場はどう考えても、南3局2本場の重厚な駆け引きと押し引きです。そこで存在感を消していた瑞原選手をメインにするのはちょっと違うかなと思いました。

一方で、瑞原選手についてはアガリに結びつけた決断が印象的でした。そうしたことを踏まえた上で、瑞原選手はアガリメイン、そして他の選手は守備ですごさを見せた場面を取り上げる形で、メインの選手を決めず各選手について書きたいように書いていくことにしました。

こういう記事は、これまでの傾向からすればアクセスが伸びにくかったと思います。それが普段の数倍の伸びを見せているのは、やはり試合内容が素晴らしかったからに他なりません。

タイトルについて

今回、フォロワーの方とのやりとりで、僕は「タイトルは決まった」と書きました。

このときに思いついたタイトルですが、実際には使いませんでした。最初に浮かんだタイトルは

「甘えるな、歯を食いしばれ Mリーガーが私たちに教えてくれた、大切なこと」

というものです。甘えた打牌をしないMリーガーたちが、見ている人に麻雀で勝つ上で大事なことを教えてくれる、みたいな構成をイメージしてのものです。

ただ、これだと僕が先に挙げた「麻雀観戦記の書き方について」の中にある「その試合・その記事をひと言で表す」を満たしているとは言えません。そして視聴者の方も、Mリーガーから何かを学ぼうというよりも対局そのものを楽しもうとする方の方が圧倒的に多いでしょうし、変に説教臭くなるのも違うなあ、と思い、ボツにしました。

今回のタイトルが最高かと言われると、もう少しうまくつけられたかもしれないとは思っています。ただ、最初の案よりは良かったのではないでしょうか。

最後の場面

先に書いた通り、僕はこの試合の観戦記にメインの選手を設定できませんでした。そして、全員が等しく主役だと思っていました。その思いを反映させたいと思った中で思いついたのが、最後に4選手を個別に書く手法でした。

最後はあえて決着のシーン、そして誰が勝ったかを明記せず、締めに瑞原選手のポーズ画像を使って記事を終わらせました。これは漫画とか映画でたまにある手法をイメージしています。頭の中にあったのは漫画「タッチ」で、甲子園での戦いを吹っ飛ばして優勝プレートで終わった構成です。

今回、勝ったのは瑞原選手でしたが、大事なのは誰が勝った、誰が負けたよりも、4選手がものすごい対局を見せてくれたことだったと思います。その思いは、以下の文に込めています。

「だが、誰が勝っても、間違いなくこう言える。

麻雀は、Mリーグは、やっぱり面白い─。」

今後もすごい試合を期待していますし、そんな試合を担当できるときは、自分ももっといい記事を書けるように頑張ります。


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