1~2年の授業を振り返る②必修科目(語学&実技)編

・楽書講読(英語)【1年通年:良】

音楽学に関する英語の文献を輪読する1年生必修の授業。出席番号によって自動的に2クラスに振り分けられ、私は大嫌いな先生のほうのクラスに入れられました。大嫌いとはいえ超テキトーなので楽ではあって、もう一方の先生はかなりの予習復習を要求すると聞いていたので、最初は得した気分でいたのですが。履修し終わってから知ったところによると、何を読むかを決めるのも先生で、もう一方のクラスではちゃんと音楽学の基礎が身に付くようなものを読んでいたらしく、そっちでちゃんと頑張ってれば今頃もう少しマシな学生だったのかなあと、人のせいにしたくならなくもない私です。なんかね、音楽学って言われてもあんまりイメージ沸かないと思うんですけど、それはもう海のように範囲も奥行きも広くて、授業は割とどれも一つひとつの島に上陸する感じだから、私は未だに全体の地図が描けないのですよ。みんな受験の段階である程度の文献は読んでるっぽいから、それをしてこなかった私が迷子なのは仕方ないって1年生の頃は思ってたんだけど、島と島の位置関係が分かるこのような授業があるなら履修したかったと、振り分けが自動的なんだからそれもまた運命だと納得している一方でちょっとは思うのでした。

・フランス語【1年通年:優/2年前期:秀・優/2年後期:秀・良】

まさか語学を一からやることになるとは完全なる誤算だったけど先生が好き過ぎるせいで(※おかげでとは言わない)続けてしまっている、というのは前にも書いた通り。2年後期に状況が変わりまして、「私の心と秋の空…」と思わずつぶやいてしまったほどそれはもう突然に、前期は面白くて仕方なかった先生お二人ともに、特に理由もなく飽きました。唯一のモチベーションだったものがなくなり、惰性で授業に行く日々をしばらく送っていたけれど、年末の観劇旅行にパリを組み入れることを思いついて少しだけ回復。現地でフランス語会話ができるほどの力は到底まだなく、何を言われても「Sorry?」と聞き返しさえすれば大体のフランス人が英語で言い直してくれることを学ぶのみの旅だったけど、まあ書いてあることがなんとなく読めるのはそれなりに楽しかったかな。その思い出を胸に、頑張って試験も受けたからこれで中級まで修了。楽理科はなんと上級まで必修だから、これまた卒業どうするかな案件なんだけど、この歳で新しい言語を学んだのは良い経験だった気がします。ちなみに中級の授業にはいくつか選択肢があり、宮崎アニメをフランス語で観るみたいな楽し気なのもあったけど、私は会話と読解の2クラスを選択。会話クラスはなんと6人しかいないという贅沢ぶりで、勝手に語学学校気分でした。得意な読解が前後期ともに秀なのに対し、楽しかった会話は良にまで落ちましたけど。

・ソルフェージュ【1年前期:可/1年後期:良/2年前期:良/2年後期:失格】

これも1年前期~2年前期までは前に書いた通り。2年前期のパワハラ系M先生の授業は、可能な限り休むことでなんとかやり過ごし、羞恥プレイな試験も受けた。後期で今度は「こんなことも答えられないようなら芸大辞めなさい。落ちて私大に行ってる子に失礼だ」とのたまうK先生にあたったけど、もう一人のI先生がすごく良かったから、これまたI先生の日は全出席してK先生の日は可能な限り休む作戦でなんとか試験を受けられるだけの出席を稼いだ。にもかかわらず、年末年始に色々あって力尽き、羞恥プレイに耐えうるメンタルを失ってしまったため、年始早々の試験を受けそびれるというオチ…。必修4期分のうち3期分は取ってるわけだから、あと半期分をまたどこかで取ればいい話ではあるし、ソルフェージュ苦手だからもうちょっとやっておきたい気もするけどレベルが低すぎて必修以外に取れる授業がない私にとって、それはむしろ都合のいい取り方でもある。あるのだけど、なにせこの授業、1限なんだよね! 人並外れて朝弱いから、週に2回も早起きする気に今後なれるかどうか甚だ疑問。というわけでこれまた、卒業どうするかな案件です。

・ピアノ【1年後期:優/2年前期:良/2年後期:優】

実技の必修は2年分で、ピアノを2年やってもいいし、他の楽器と1年ずつでもいいシステム。私はピアノで2年コースのつもりが、ワケあって1年前期に取りそびれて後期から始めたため未だ終わりません。その間に他の楽器に興味が湧いたりもしてるんだけど、ピアノはソルフェと違って1回落とすと二度と履修できないから、決心がつかないままとりあえず3期とも試験は受けました。受験の時は、ピアノの時点ではもう終わった感満載だったから気楽に弾けて、私って本番に強いのかなとか浅はかにも思ったりしてたんだけど、試験では毎度緊張して逃げ出したくなったり手足が震えたり、なんかもう新しい自分にたくさん出会えた気分。試験に比べたらレッスンは楽しくて、1年では「ここはもっとね、抱きしめるの」みたいな感性全開のアドバイスをくださる女性、2年では技術的なことを丁寧に教えてくれる男性と、タイプの異なる二人の先生に教われたのも面白かったです。ただ、上達には才能以前にやはり練習量が絶対条件だと思い知りもしたので、その条件をクリアできない私に4期目はいよいよ厳しいかもとも。試験では毎回異なるジャンルの曲を弾かなきゃいけなくて、これまでドビュッシーのアラベスク1番(現代)、伴奏、ショパンのノクターン遺作(ロマン派)と来たから、次はバロックか古典派なんだよね…弾ける気がしない。ちなみに伴奏というのは誰でもいいから相手見つけて伴奏させてもらう必修事項で、声楽科の子と一緒に練習したのは最高の思い出の一つ。やっぱり合奏って楽しい。相手が上手いと特に(笑)。

・和声【1年前期:良/1年後期:失格/2年通年:失格】

フランス語とソルフェのとこで何気に「これまた」卒業どうするかな案件と書いたのは、「これこそ」卒業どうするかな案件が他にあるからで、順番前後しましたがそれがこの和声です。選択必修なんだけど、これが取れてないと履修できない選択科目がいくつかあって、そのどれも取らないと単位数が足りないから事実上の必修。それなのに私は、1年時は11月、2年時は5月で授業に出るのをやめてしまったので、このままだと卒業できません。私なりになんとかする方法を色々考えて試してはみたのだけど、作曲科の先生と話してるともれなく人格否定された気分になって、自分が真剣にやってることを趣味でやろうとしてる人間を否定したくなる気持ちは分からなくもないから、卒業とかもういいや~。っていう私と、せっかくだからなんとかしたい私が泥沼の争いを繰り広げていた2年間の終盤に、新たな判定要素が二つ現れました。それは、和声が取れてないと履修できない選択科目である「音楽分析」をしてみたい気持ちが湧いたことと、同級生に私に和声を教えるアルバイトを頼むという名案を思いついたこと。気持ちや思いつきで判定が決まるほど泥沼は浅くない気もしつつ、今はとりあえず大事にしてみようと思います。

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