200117迷想日誌

令和2年の労働法改正予定は――通常国会が開幕へ|迷想日誌

令和2年通常国会が20日からスタートします。ご承知の通り国会では、ここ何年かのうちに、働き方改革に関する各種法改正が実施されてきましたが、まだまだ続きますのでご期待ください。

今年の通常国会では、主要なものだけで5本程度の労働関係法改正案が提出される予定です。
つまり、労働基準法改正案、高年齢者雇用安定法改正案、雇用保険法改正案、労働施策推進法改正案、労災保険法改正案などです。

最も注目されるのは、労基法改正案でしょうか。厚労省内で長期間にわたって検討されてきた賃金等請求権の消滅時効の期間延長問題です。
労務管理実務上大きな影響がありそうです。しかも、改正法の施行日を4月1日に予定していますので、3月中に成立させる勢いです。

次いで、高年法改正案が重要です。こちらは一般報道でもよく目にしますが、70歳までの雇用や就業支援を企業に努力義務化(いずれは義務化予定)するものです。
実態上65歳までの雇用がほぼ完成に至ったので、次は70歳というわけです。

しかし、支援コースとして起業支援、社会貢献活動支援、フリーランス契約提供など異質なものが並んでいます。
厚労省では、この部分は労働関係法の規制外といっていますが、それを労働関係法に規定するのはどういうことでしょうか…。

雇用保険法改正案と労災法改正案については、社会問題となっているマルチジョブホルダーの保護などに関するルール設定をするものです。
労災法改正案では、副業・兼業先賃金も勘案して労災給付額を算出することになります。

働き方改革がまだまだ続くことがよく分かると思います。
ただ、この5本程度の法案は、2本にまとめられて国会に提出されるので、提出法案としては「2本」と表現するのが正解です。
最近流行っている「一括法案」です。審議時間の短縮など、効率的に法案成立を図ることができます。
また、今回は与野党対立法案がないといわれていて、国会が正常に動けば成立はほぼ確実といえるでしょう。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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