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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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#働き方

女性の就業促進へ制度見直しも|気ままに労働雑感

政府は6月14日、令和4年版男女共同参画白書を閣議決定しました。 共働き世帯が増えるなか、その女性の働き方がフルタイムではなくパートタイム中心となっていることに触れたうえで、昭和の時代に創設された税制や社会保障制度が、女性を専業主婦や家計補助というモデルの枠内に留めている一因と指摘しています。 多くの企業が支給している配偶者に対する家族手当についても要因の1つとして挙げました。 税・社会保障制度などのさらなる見直しが必要としています。 総務省の調査によると、有配偶の非正規雇

勤務間インターバル普及へ中小企業の認知度向上が課題|気ままに労働雑感

厚生労働省は6月2日、使用者団体や労働組合関係者、弁護士、大学教授、過労死遺族で構成する過労死等防止対策推進協議会の第22回会合を開き、現在の過労死等防止対策の実施状況について説明しました。 長時間労働者の割合が低下し、年次有給休暇取得率も上昇傾向にあるものの、過労死等防止対策大綱において認知度向上などを目標としている勤務間インターバルは、「制度を知らない」と答える企業割合が増加しているといいます。 説明を受けて、大学教授などの専門家委員や遺族など当事者代表委員が、勤務間イ

偽装一人親方の撲滅を|気ままに労働雑感

建設業における時間外労働の罰則付き上限規制の施行まで2年余りとなるなか、国土交通省において、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂に取り組んでいます。「偽装一人親方」問題への対処が目的です。 個人事業主である一人親方は法令上、発注者側には社会保険に加入させる義務がないうえ、働き方改革関連法に基づく年次有給休暇の取得義務や、時間外労働の罰則付き上限規制が適用されません。 そのため、一部の建設企業では規制逃れを目的として、労働者である技能者を一人親方にする「偽装一人親