見出し画像

コラム : なんでレコードで聴くの?

こんにちは。

東京・王子にあるレコードショップ、Rodentia Collectiveのマキノです。
( 現在はオンラインショップのみで運営中。)

「なんでレコードで聴くの?」

と、あまり音楽が趣味ではない友人に聞かれることが多々あります。

今では当たり前にレコードを棚から出して音楽を聴いていますが、ストリーミングが主流のこの時代に、なんで私はレコードを聴いているんだろうと、ふと、考えました。

画像1

私はweb shopでレコードを取り扱っていますが、申し訳ないのですが音質に関して詳しいわけではなくて、(きっとお客さんの方が詳しい)違いが少し分かる程度の知識しかない。

なので「レコードで聴きたい音楽」が、感覚的というか、音楽のジャンルによってこれは聴きたい、これはレコードじゃなくても、というように分けて聴いています。ですので、当店での取り扱いがあるレコードは、レコードで聴いて欲しい、そしてレコードのみのリリースである、この2つです。”ただレコードでリリースしているから”という理由では入荷させません。This is こだわり。

もし、レコードの何が好きなの?と聞かれたら、どう答えますか?

「大きいジャケット」、「ジュエルケースには無い紙質」、「やっぱり音が良い」「カラービニールが好き」とか。アナログリリースだけのアーティストも多いですよね。ここに理由を足して良いならば、「めんどくさいところ」とか。


画像2


なにがめんどくさいかって、大きいし整理に困るし定期的に埃を拭かないといけないし、よいしょって裏返さないと続きが聴けないし、歩きながら聴けないし。ああ、なんだか面倒臭いって人間的だよなあ、なんて考えたりもします。

でも、この面倒くささが好きなんです。音に集中できるこの環境が、私は好きです。買ったレコードを「時間をとってちゃんと聴きたいな…」と思い続け数日そして一ヶ月経っちゃうことってありますよね、あんな感じです。ダウンロードコードでiphoneに入れてしまえば、いつでもどこでも聴けるんですが。なんかそれは違うなあ。

結局のところ、宝物のように大事にしたくなるフォーマット、そして「ゆっくり時間をとって心地よい気持ちでレコードを聴く」のが好きなんだなと。あとは、PCでクリックして再生するのではなく、「わざわざ棚から出して、盤をターンテーブルに乗せて….」お気に入りの本や、フォトアルバムを見返すような気持ちで。音質にこだわったり、年配の方々がアナログで聴き続ける理由とは少し違うのかもしれない。

今、若者が敢えてレコードで音楽を聴く理由って、もしかしたら、なんでも効率化され、コスパ重視の現代社会に疲れた反動、というのも理由のうちのひとつかもしれません。


画像3


でも、そういう風に時間を作ることなんて難しい方が多いと思います。本当に時々、ゆっくりしたいな、ゆっくり音楽を聴いて、体験して欲しいな、と、思います。これはCDでもできるだろうし、ストリーミングでも流しながらゆっくりは出来るとは思うのですが。じっくりとレコードの重みみたいなものを味わいながら聴くと、また違った体験ができるかもしれません。好きな音楽がスピーカーから流れて、くるくるまわっているレコードを見ているだけでも幸せなんですけどね。

Rodentia Collectiveでは、そんなゆっくりしたいときに聴けるようなレコードを数多く取り扱っています。日常に、すこしでも穏やかな時間が流れますように。ぜひ、チェックしてみてください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?