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2022J1第19節 清水エスパルスvs横浜F・マリノス プレビュー ~Battle of National Stadium~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
パイセン、4連勝ですよ!!

赤松:
いい響きだよなw
柏戦はほんっとにいい試合だった。個人的に今季ベストゲームかもしれん。

青人:
見てて楽しかったです。柏があたふたしてるのが手に取るようにわかりました!

赤松:
たしかにあたふたしてたなw
とにかく柏にプレスのスイッチを入れさせなかったのが大きかったかな。引きつけて逆っていうのをやり続けていた。

青人:
引きつけて逆ですか。たしかに連動してプレスをかけてきていない感触はありましたね。これって単に柏が調子悪かっただけじゃないんですか?

赤松:
うーん、まあ気候とかの条件もどこかで作用してるかもしれないけど、一番はマリノスのボールの動かし方にあったと思う。

青人:
それはどんな?

赤松:
今回のテーマは「収縮」だった。ビルドアップの局面で、まずマリノスが意図したポイントに相手を集めて引きつけること。そして柏が囲みきる前に素早く逆サイドに振って前進すること。

青人:
「マリノスが意図したポイント」ってところに意味がありそうですね、、

赤松:
まさに!意図したポイントっていうのは、柏の構造上の弱点およびマリノスがたくさん選手を配置するエリアのこと。必然的に味方のサポートも近くなり、逆に柏の選手はそこまで移動する時間を要する。あとは奪われた後、即時奪回しやすいことも大きなポイントだよ。

青人:
ポゼッションも即時奪回もしやすいってことですかね。

赤松:
うん。それもこれも高丘と2CBのところで時間が作れるのが大きい。特に、フリーなタイミングでじわじわ持ち上がれるところがね。

青人:
なるほど。ここにプレスをかけてこない相手は厳しいってことなんですかね?

赤松:
まあそうかも。

青人:
これらを踏まえて今回の清水戦です。
マリノスとしては、新国立でやる初めてのゲームですよね。

赤松:
楽しみだな。試合前の演出とかも。

青人:
花火ドンパチやるらしいですよ!

赤松:
いいね!オリンピックの開会式を生で観れなかったし、その一端を今回見ることができるのかもしれないよ!

青人:
たしかに!そういう意味でもすごく楽しみです!



【最近の清水エスパルス】


青人:
さて、清水は2試合前の福岡戦から新監督を招聘しています。名をぜ・リカルドという方ですね。

赤松:
ブラジル人の監督だね。元々フットサルのプレーヤーだったらしい。

青人:
ほう、、異色の経歴ですね。
どんなサッカーですか?

赤松:
4-1-4-1をベースとしたチーム。あえてフットサルらしさに言及するとしたら、左右両サイドで旋回を行うところかな。わりとしっかり繋いで前進するチームだよ。

青人:
え、結構繋ぐんですか!清水じゃないみたいw

赤松:
だよねw
特徴的なのは、サイドバックの立ち位置。
基本形として、両サイドバックが低い位置を取ってビルドアップする。ここで相手を引き込みつつ、前後分断を作って速い攻撃を仕掛けていく。

青人:
なるほど。結構上手くいってるんですか?

赤松:
そうね。プレスをかけてくる相手に対してはかなり効果的だよ。
前線のチアゴサンタナが起点が作れるってところと、あとはGK権田のビルドアップ能力は大きいかな。

青人:
それは厄介ですね。

赤松:
うん。あと福岡戦の2点目が顕著だよね。
自陣深くで数的優位作ったところで、CB立田がフリーになりましたと。そこから立田が持ち上がって前進。そのまま右の西澤にボールが渡ってクロスからチアゴサンタナがヘッドで仕留めたやつ。あれこそ今のサッカーの一つの完成形だと思う。

青人:
初戦から完成形、、すごくないですか?それw

赤松:
まあ初見殺し感はあったけどw
でも「これがやりたいんだな」は見えた。

青人:
ただ、相手が出てこないこともありますよね?
要は、引き込めない状況です。

赤松:
そうだね。そこで出てくるのが旋回だと思ってて。
サイドバック、ウイング、インサイドハーフの3枚がポジションチェンジをして、相手を撹乱する。引き込めないってことは、相手が清水のセンターバックに対してプレスをかけてこないってこと。すると、必然的に受け手が動く時間が生まれ、ライン間でフリーな選手がボールを受けることができる。

青人:
しっかりとした次善策もありそうですね。

赤松:
うん。今出てるメンバーは、これが出来る選手たちだと思う。要は、ユニット単位で周りの動き方に合わせられる選手。特に後藤なんかは、新監督が来ると必ず最初に使われるタイプだよね。よほど戦術理解度が高いんじゃないかな。

青人:
なるほど。大学にも、誰にでも上手く取り入るヤツっていますからね。

赤松:
いるよな、すげえいいヤツw

青人:
いつ誘っても飲み会来てくれて、しかも心地よく面白いヤツが結局一番良い!

赤松:
急にヌルいあるある話やめんかいw

青人:
すませんw

赤松:
まあいずれにしても、現時点ではこの旋回が出来る選手を優先的に起用していて、片山と山原が両サイドバックなのもこれが理由かなって感じ。



【試合展開の予想】


青人:
まだ未知数なところもあるとは思いますが、どう戦えば良いのでしょう?

赤松:
マリノスとしては、まずボールを握って敵陣に押し込みたいのは大前提で、その時間を長くしたいかな。

青人:
ここはいつも通りですね。

赤松:
うん、でも今回はとりわけボールを握りたい試合だね。

青人:
なぜですか?

赤松:
マリノス的に背走を強いられたくないからだよ。清水はわりとビルドアップに自信を持ってて、チアゴサンタナを使って盤面をひっくり返すことができる。プレッシングが効いているうちは問題はないけど、こういうチーム相手にはボールを取り上げちゃった方がリスクも低減できて手っ取り早いんだよ。

青人:
清水的に、自分たちがボールを持って試合をコントロールしたいのであれば、マリノスとしてはそれをさせないことが必要になるわけですね。

赤松:
そういうこと。今回のテーマは「じっくりじわじわ」かなと。マリノスがボールを持って押し込む時間を長くする必要がある。なんてったって試合当日は灼熱のピッチだろうし、このあと連戦も続くし。

青人:
たしかに、この試合だけじゃないですからね、、

赤松:
うん、だから闇雲に攻め急ぐんじゃなくて、じわじわ押し込んでボールを動かしながら意図的に試合のペースを落とすのも一つの手だと思うよ。清水としても嫌だと思う。

青人:
嫌ですかね、、やっぱりマリノス相手ならゴリゴリスピード感満載で来られる方がキツイかなと思いますけど。

赤松:
そこは一長一短だね。マリノスが敵陣に侵入した後のプレー選択が、裏に走らせるのかキープするのかに注目かな。あとスタメンも。ウイングにスピードタイプを置くか、柏戦同様エウベル・水沼の2人を置くかでケヴィンの腹づもりはだいたいわかるはず。

青人:
きっと時間帯によっても変わるんですよね?

赤松:
もちろん。

青人:
ボールを持てたとして、清水の守備を攻略できるんですか?

赤松:
まあそこだよねw
そもそもだけど、監督が代わってもそこまで前からガンガン奪いに来る感じではない。さっき4-1-4-1ベースって言ったけど、非保持は4-4-2で構えてくるよ。

青人:
あれ、今季序盤って結構前から奪いに行ってませんでした?

赤松:
そうね。でも今はほとんどハイプレスはやらない。奪ったらチアゴサンタナに当てて速攻っていうのは変わらないけど。

青人:
まあ、武器なんでしょうからねw

赤松:
うん。このチームで気になるのは、サイドの守備のところ。サイドハーフとサイドバックが基本的にマンツーで付くんだけど、動く相手に対してマークの受け渡しがスムーズじゃない印象を受けるんだよ。

青人:
結構マーク離しちゃう感じですか?

赤松:
そうそう。内に絞るサイドハーフや外に出るボランチ、相手によってはそうやって動きながら相手を攪乱しようとするチームが現代サッカーだと特に多いけど、そういう動きに対して後手を踏みやすい。
そこからズルズルとDFラインが下がって押し込まれる傾向は強いかな。

青人:
なるほど。マリノスってJリーグでも有数の動くチームじゃないですか?
押し込む部分はやれそうですかね。

赤松:
今のままだったらおそらくやれる。マリノスがボールを持っているとき、サイドバックが内に絞ったりボランチが外に出たりするから、まずその動きを捕捉しつつ、そこに対して清水がどう捕まえているか、そもそも捕まえられているかどうか、は見るべきポイントかも。

青人:
おー!ちょっと見てみます!
あとは押し込み続けるのってさすがに難しいと思ってるんですよ。
だって、例えばマリノスがシュート打った後のゴールキックって清水がボールを持つことになりますよね?

赤松:
おっしゃるとおり。必ずどこかの時間帯で清水がボールを持つ時間帯はあって、マリノスとしては盤面をひっくり返されないような工夫が必要だよね。

青人:
ですよね!

赤松:
ポイントは、清水の中盤をいかに捕まえるかってとこ。特にIHの神谷と白崎のところかな。

青人:
なぜですか?

赤松:
仮にロングボールを蹴られたとき、その攻撃に厚みを加えるのは彼らだから。正直、チアゴサンタナに入るだけならマリノスのセンターバック2人でなんとかできる。でも、セカンドボールを中盤の選手に拾われるとなると話は変わる。場合によっては数的不利の状況になるかもしれないし、そしたら一気にシュートまでいかれる可能性が高い。

青人:
要は、前を向いて神谷と白崎に前を向いてボールを持たれるのが嫌ってことですね。

赤松:
そうそう!で、そこから逆算したプレッシングをかけるよねって話。
清水は4バック+GKの5枚でビルドアップするのが基本で、それがうまくいかなければ、セレッソ戦のように片方のサイドバックだけ下ろして3-4-3のような形にもする。ビルドアップの形はかなり多彩だよ。

青人:
試合中に変えるってことですか?

赤松:
そう。特にいまは飲水タイムがあるから、そこで形を変えてくることは想定される。基本的な考え方としては、相手を引き込み間延びを強いること。

青人:
厄介ですね。試合中の変化に面喰らうことがあるとピンチになりそう、、

赤松:
たぶんねw
かなり面倒な事態になりかねないから、なるべく長い時間ボールを持ちたいってのはそういうことよ。難しいこと考えずにマリノスがやりたいような試合ができる。

青人:
ちゃんと根拠があったんですねw

赤松:
いつだってちゃんと根拠があるわボケナス。

青人:
すみませんw
兎にも角にも勝ちましょう!

赤松:
必ず勝とう。#国立をトリコロールで染める よ!




To Be Continued・・・






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