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2022J1第7節 サンフレッチェ広島vs横浜F・マリノス プレビュー ~Limit of Time~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】

青人:
東京戦、勝てて良かったですね!
前半はひどいもんでしたがw

赤松:
そんなひどかったか?

青人:
だって、パス全然繋がらないし。
全然崩せてなかったじゃないですか!

赤松:
まあ崩せてはなかったよね。そこは課題もあるだろうよ。
でも、スコア展開を念頭に置きつつ、リスク管理をしっかりしながら、ゲームを全体的にコントロールしてたと思う。

青人:
あれで良かったんですか?

赤松:
うん。前半リードを許したわけじゃないし、ロングカウンターを浴びせられまくったわけじゃないし。
リスクを回避しつつ、相手の良さを削りながら押し込んでいたと思う。

青人:
なるほど、まあビルドアップのところで引っかかったシーン以外はそこまで点を取られる気はしなかったかもです。取れる気もしなかったけどw


【最近のサンフレッチェ広島】

青人:
さて、苦手なイメージのあるアウェイ広島戦です。

赤松:
苦手なイメージあるよなw

青人:
勝ってもなんかモヤモヤするんですよねぇ、、

赤松:
うん、なんとなくわかる。

青人:
今回もそうなるんですかね。広島はスキッベ新監督を招聘して迎えたシーズンです。開幕からなかなか勝ちきれず、前節・湘南戦でようやく初勝利をあげました。ここまでどんな感じですか?

赤松:
相変わらず得点があまり取れていないチームだよ。それなりにタレントもいるのにとにかく点が取れない。

青人:
広島は守備のチームってイメージありますね。

赤松:
そうね。その屋台骨を担うのが屈強な3バック。

青人:
野上、荒木、佐々木の3人ですね?

赤松:
うん。彼らの強みは「前で潰せる」こと。特に今の荒木はダミアンをシャットアウトできるくらいだよ。

青人:
つよっ!

赤松:
まあ3バックの対人守備は広島の強みだってことは頭に入れておくといいよ。

青人:
わかりました!それで、新監督のもとでチーム全体としてどんなサッカーに取り組んでいるんですか?

赤松:
今のところ、基本的な考え方は昨季後半と大差はなさそう。プレッシングをかけつつ、ひとたび剥がされたらすぐに撤退守備へ移行するのがベース。ただし、保持/非保持で多少ニュアンスは変わっていて、ビルドアップとプレッシングの局面は、チャレンジ志向が強まっているよ。

青人:
チャレンジ志向とは?
ただ守備に軸足を置いているわけではないって感じですか?

赤松:
うん。ビルドアップの局面では、列落ちも織り交ぜながら選手の距離感を近くして下で繋ぐことにチャレンジしているように見受けられる。
一方のプレッシングでは、特にウイングバックとボランチが前へアタックする意識・頻度が上がっていて、前で嵌める意識が強まっているかな。

青人:
なるほど。その言葉だけだと、強いチームに聞こえますw

赤松:
まあその反面、いまはピンチも招いているけどね。
川崎戦ではプレッシングを剥がされて数的同数の速攻を喰らっていたし、湘南戦ではビルドアップを引っ掛けられてショートカウンターを喰らっていた。

青人:
ほう、やっぱり産みの苦しみなんですかね?

赤松:
まあそれも1要素としてはあるだろうね。
まだ新監督来日からリーグは3試合しか戦っていないし。

青人:
そっか、合流が遅れたんですよね。その弊害はありそう。
実際どんな構造でやってるんですか?

赤松:
まずはビルドアップから。
左前進が基本なんだよね。左のHV佐々木を入口として、WB満田が幅を取る。ここまではポジションが固定される。あとは臨機応変に動いてサポートするのがボランチの野津田とシャドーの森島。あとはCFのジュニオールサントス(永井龍)も左に流れてロングボールのターゲットになったりする。

青人:
左サイドにかなり人数をかけるんですね!

赤松:
そうなんだよ。特にキーマンは森島司で、彼が神出鬼没に動いてハブ役になるんだよ。まあもともとテクニックのある選手だけど、今季はキーマンとしてチームの中心に据えられているのもあって、かなりイキイキと楽しそうにプレーしてる。

青人:
なるほど、じゃあ森島の動きを見ていれば広島がわかるんですね?

赤松:
極端だなぁw
まあとにかく左サイドで人とボールを動かしながら相手を引きつけて、そこから右サイドに展開する。これが広島の王道パターン。

青人:
ほう、展開した先には何が?

赤松:
藤井智也だよ。スピードと突破力のあるチャンスメイカー。
藤井がボール持つときはあえて密集を作らず、逆に広大なスペースを与えることで彼の突破力を生かそうとする狙いがありそう。

青人:
いわゆるアイソレーションってやつですかね?

赤松:
まさに。ビルドアップの構造はそんなところかな。

青人:
なるほど、でも今季の広島はリーグ6試合で4点しか取れていないんですね、、

赤松:
まあかなりサイドに人数をかけて攻撃する(特に左サイド)のもあって、ゴール前で点取る人がいなくなってしまうのかもな。ジュニオールサントスもストライカーってよりはチャンスメイカー寄りの動きをしているし。この点、右シャドーに入る浅野にもっとストライカー的な役割を期待したいんじゃないかな?スキッベさん的には。

青人:
なるほど。次はプレッシングのところをお願いします!

赤松:
うむ。基本的な考え方は、5レーンを埋めながら目の前の相手にアタックしていく形で、特にサイドに追い込んで奪う意識が強いかな。

青人:
サイドに追い込んで奪うってことは中切り外誘導ですかね。

赤松:
そうね。全体的に前に食いつく意識が強いんだよ。ダブルボランチも、わりと迷いなく自分の目の前の相手に食いつく。

青人:
それはかなり攻撃的なプレスだ、、!

赤松:
その反面、局面をひっくり返されたときがきつくなる。
川崎戦では、ダブルボランチの脇、もしくは背後でボールを受けられた時の対応に苦慮していたよ。
苦慮というか、、そのまま数的同数の速攻になってたw

青人:
めっちゃリスキーじゃないですか?それ。

赤松:
リスキーだね。
まあでもこのチームの強みはさっきも言ったけど、3バックの前への強さだからさ。例えばダブルボランチの背後を突きたいならロングボールは一つの手段として考えられるけど、そういうボールには荒木をはじめとして滅法強いから。

青人:
なるほど、、アバウトに蹴り込まれたボールを跳ね返す力はあるわけですね?

赤松:
そうそう。そこを突くにはロジカルに動かしてやる必要があって。例えばCBをピン留めしてその手前を使うとかね。

青人:
ほう、ひと工夫が必要ってことか、、


【試合展開の予想】

青人:
まず広島のビルドアップに対するプレッシングのところですね。まだおぼつかないところがあるんでしょうから、前からガンガン行ったほうがいいんじゃないですか?

赤松:
まあそれはそうだね。
広島のビルドアップのキーマンである森島と、あとは塩谷と野津田のダブルボランチもしっかりボールを持って前にパスを付けられる選手だから、この3人をどう捕まえるかって話にはなるかな。

青人:
マリノスは最近になってプレッシングがわりと機能してるように見えるので、そのまま行くんですかね?

赤松:
最近のマリノスは、外切り中誘導で中盤マンツーがお決まりのパターンだけど、今回はそれだと列落ちする森島が捕まえられないかもな。
逆に前節広島と対戦した湘南は、ダブルボランチを消しながら外に誘導して広島のビルドアップを封じていたから、うまくこれを踏襲できると良いかもしれない。
例えば2トップが背中でダブルボランチを消しつつ、森島にはボランチの片方が付いていくとかね。

青人:
やっぱり森島を見ていれば広島がわかるってことじゃないですか!w

赤松:
そうかもw
とにかくこの中盤の攻防は鍵だね。森島が前向いてボール持てているようだと、ちょっと厳しい試合展開になっているかもしんない。

青人:
ここは避けたいところですね、、
じゃあマリノスのビルドアップはどうですか?

赤松:
キーポイントになるのは、広島を誘き出すこと。
そこから間延びを強いて、さっき言ったダブルボランチの脇・背後を突くこと。
それができればマリノスが望むハイテンポな展開になる。

青人:
なるほど。

赤松:
まあハイテンポを嫌ってそもそも広島が前から来ないケースも考えられるけど、そしたら東京戦の前半の反省を活かす時だよね。
あの試合よりもリスクを許容して攻めるのか。仮にリスクを許容するにしても、前半からガンガン行くのか、後半から勝負をかけるのかとか。

青人:
僕は前半からガンガン行ってほしいです!
そういうマリノスが見たいから!

赤松:
まあその意見は尊重するけど、、
でもほら、厳しい連戦の真っ最中のアウェイゲームということも考えて、勝負をかける時間は限られていると見るのが妥当な気はするよ。

青人:
あーたしかに、、ここは勝負師・ケヴィンの腕の見せどころってわけですね?

赤松:
そうだね。
おそらく退屈な時間もあると思う。そんなときは、その瞬間の内容だけで判断せず、少し引いたマクロな視点で試合全体のゲームプランやスコア展開なんかも加味して考えてみると、印象は変わるかもしれないね。




To Be Continued・・・

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