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2022J1第15節 横浜F・マリノスvs京都サンガ プレビュー ~Test Match~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
福岡戦、見ていて辛かったです、、

赤松:
辛かったなぁ、、

青人:
点入る気がまるでしなくなかったですか?
マリノスらしくない。

赤松:
難しかったね。
でもまあ福岡のブロックが素晴らしくて、マリノス相手に素晴らしい守り方をしてくれちゃったのはある。

青人:
パイセンが言ってた通り、バリカタでしたよね。

赤松:
そう、ちゃんとマリノスの選手の特徴に合わせた守り方をしてたんだよ。水沼宏太には対面の志知が強めに当たって前を向かせず、仲川にはボールを持たせることは許容してとにかく裏を警戒するっていうね。

青人:
あーなるほど、、かなり研究してきたんですね。

赤松:
相手が得意な土俵に持ち込ませず、「これできねえだろ」を強いてきた。痛かったのは、対面のサイドバックに学んだことをそのまま発揮させてしまったこと。

青人:
ん?どういうことですか?

赤松:
水沼にはこうしろ、仲川にはこうしろがあって、そこを迷わせることができなかった。それはやっぱり人数をかけて攻められなかったことに尽きるかな。

青人:
人数をかけられなかったですか、、たしかに攻撃が停滞してましたよね?ミスも多かったし。

赤松:
ミスはともかく、人数をかけられなかったのは、テンポを制御できなかったことに尽きるかなと。特にマルコスがボール持つとスピードアップするっていう部分で、若干本来やりたいこととの乖離が見られるのかなと。

青人:
パイセンがよく言ってる攻撃のペースの話ですよね?

赤松:
そう。押し込んで距離感近くして攻めたいんだよ。例えば水沼宏太がボール持ったところに食いついてくるなら、誰かが裏に走るとかね。それを単発じゃなく連続してやりたかったんだと思う。

青人:
たしかに、パズルみたいに!

赤松:
そう。それができなかったから攻撃が単調になった。エウベルがいない今、とにかく時間を作れる人が欲しいんだろうな。ここはエウベルが帰ってくるまでの課題。まあ現状エウベルに頼っているわけだけど、そこをどうするかは見ていくと楽しいと思う。

青人:
そういう楽しみ方があるんですね。

赤松:
もちろん。人を変えることによって味変をするのが今のマリノス。つまり、選手起用のところ変えながら最適解を見つけていくってことだね。
例えば1か月後にどうなっているかは想像するだけで楽しい。

青人:
そうですね!



【最近の京都サンガ】


青人:
さて、というわけで京都との試合になります。
あの曺貴裁が監督をやっているチームですね。

赤松:
よみがえる2018年10月。トラウマ、、

青人:
ですね、、相変わらずの湘南スタイルなんすか?

赤松:
いや、パブリックイメージの曺貴裁とは少し違っている気がする。

青人:
そうなんですか?
曺監督のイメージで言うと、ベースに走力があって、相手に猛烈なプレッシングをかけてボールを奪ってショートカウンターで一気に仕留めるって感じですかね。

赤松:
まあ遠からずだけどね。
まず走力をベースとした躍動感のあるサッカーってのはその通り。
だけど、湘南時代よりかなりボール保持にこだわってやっているよ。ポゼッション志向が強くなった。

青人:
え、曺貴裁がですか?w

赤松:
そうそう。総じて、相手を押し込んで敵陣で試合を推移させたい志向はかなり強く感じるな。基本的にはウタカが自由に動いて顔を出すことで、時間を作りつつ、サイドバックが特に勢いよく飛び出して攻撃参加してくる。

青人:
なるほど。特に右サイドバックの白井はスピードと推進力がありますよね!

赤松:
そうだね!あと今はあれこれ試行錯誤中なんだと思う。
例えばウタカが自由に動くってことは、大事な時、つまりフィニッシュ局面でいてほしいところにいてくれない可能性が高くなるよね?ストライカーポジションに誰もいなくなっちゃう。

青人:
たしかにそうですね。

赤松:
だから、最近はイスマイラや宮吉をはじめとするFWタイプの選手をウタカの隣に置くことで、ウタカに自由を謳歌させる印象が強いかな。
そのウタカがハブ役になれるときはかなり相手も押し込めるんだけどね。こういうの全部ひっくるめて試行錯誤段階って感じ。

青人:
ほう、、押し込みたくても押し込めない時があるんすね?

赤松:
そうなんだよ。劣勢の後半早い段階に若手プレーメーカー・山田楓喜を投入することがしばしばあって、そこから持ち直すパターンは多い。
山田は、体格を活かしてキープができるテクニシャンタイプの選手。

青人:
なるほど。サイドで起点を作るって感じですか?

赤松:
そんな感じ。ポゼッションもプレッシングもあくまで手段で、敵陣で長い時間を過ごしたいんだと思うよ、京都の志向するサッカーはね。だから、前線で起点がなくて時間を作れていないときは選手交代で修正していくって感じ。そのためのカードとして、山田は途中からよく使われる傾向があるよっていうことが言いたい。

青人:
なるほど。でも意外でした。スペースがある状態のカウンターじゃないんですね!

赤松:
ロングカウンターはやるにはやるけど、とにかくひっくり返されて裏を取られることを嫌っているみたい。京都はDFラインがかなり高いんだけど、それは敵陣に押し込んだときに前への圧力を強めるためなんだよね。

青人:
じゃあプレッシング志向は相変わらずお強いんですね?

赤松:
うん、生命線だよ。

青人:
なるほど。でもやっぱり縦に速くってよりかはゆっくり押し込むなんですかね?

赤松:
うーーん、なんつうか、、優先順位の問題かな。
奪ったら縦!は第一優先。ここはサイドバックの白井の動きを見てるとわかる。彼は迷いなく出ていくからね。

青人:
白井がかなりキーマンっぽいすね。

赤松:
そうだね。
で、それが無理だったらポゼッションに切り替えていくって感じ。とにかくやりたくないことは、行ったり来たりのオープン展開だね。ここは広島戦後のコメントで曹貴裁も言っているよ。あの人、よく喋る人だからねw

青人:
長尺話してくださるので見てる方は楽しいですねw

赤松:
そうそう。彼はとても自分たちのサッカーに対するこだわりが強いと思う。信念ってやつ?
京都を見ているとわかるのは、このチームには明確な弱点があって、あえてそのままにしてるってこと。

青人:
えっ!弱点あるんすか!?

赤松:
それは後で詳しく話すw
話を戻すけど、弱点を明確にしておくと、相手は当然そこを突いてくるよね?
すると、相手を規定することになる。それを強いることで、自分達が想定した振る舞いをさせる。京都がやってることって、わりとビッグクラブっぽい戦い方なんだよ。

青人:
弱点をそのままってありなんですか?
弱いとわかってて直さない?そんなこと許されます?

赤松:
そこは、自分達のサッカーとの兼ね合いになってくる。
もしそれを維持したうえで直せるなら直すけど、自分達のサッカーを捨ててまで直すことはしない。この点、マリノスと似通っていると思う。
相手が本来やりたいことをさせないっていう部分でね。

青人:
信念ってやつですね。

赤松:
うん。だけど、やりたいことと弱点がうまく嚙み合っていないのもまた事実。リスクがリスクとして残存したままになっている。おそらく相手を引き込んでひっくり返したところから敵陣に入って相手を押し込みたいって魂胆だと思うけど、その過程で負うリスクによって、最も望まない構図を招いてしまう。要は、ハイライン裏を走られるって構図だね。

青人:
自分たちのやりたいことが、最悪な事態を招いてしまうってことですか?

赤松:
そうだね。そこの距離が近い感じがする、リターンとリスクの距離がね。この点、曹貴裁は理想主義的なところがあるかな。

青人:
理想と現実、、深いですね。
でも直近あまり勝てていないんですよね?京都は。

赤松:
そう。そこが難しいところ。
J1の各チームってほんと性悪だからさ、見えてる弱点をひたすら突いていくわけよ。逆に京都も正面からぶつかるんだけど、その攻防のなかで1つ2つ多くモノにされて負けてしまうことはよくあるかな。

青人:
あーー、なるほど。

赤松:
前節の広島は徹底してた。まあ京都対策ってよりかは広島の普段着って感じはするけども。広島の2トップ、ジュニオールサントスとベンカリファっていう、フィジカルに長けた選手を京都のCBにあえてぶつけて質で勝つっていう。さすがの曹貴裁もハーフタイムで3バックに変えていたよ。

青人:
そんなむごい真似を、、

赤松:
最近はこの3バックが京都のポイントだったりする。試合中にどこかで3バックにするポイントがあるんだよ。特に劣勢時。3バックだと、前に出る思考が強く働く分、プレスが効きやすいんだよね。
広島戦は、この修正をしたところでかなり持ち直していた。

青人:
まあ曹貴裁といえば3バックみたいなイメージはあります。

赤松:
湘南の印象強いからなw



【試合展開の予想】


青人:
どんな試合になりますかね?

赤松:
この試合はマリノスにとってのテストになる。
ここ最近抱えているマリノスの課題を普段着で表現できるチームだから。何も進捗がなければ、わりとあっさりやられると思うw

青人:
マリノスの課題を普段着で表現できる、、
要は、相性が良くないってことですか?

赤松:
そうとも言う。
①前から来る相手に対して押し込めず単調になりやすい、②ビルドアップのところでサイドに追い込まれると抜け出せない
この二つがマリノスの課題。そして、京都の中切り外誘導のプレッシングはこれを誘発しやすい構造になってるってわけよ。

青人:
相性悪悪じゃないすかw

赤松:
でも、はっきりとした突破口はあるのよ。さっきの京都の弱点の話なんだけど。それは、ハイラインの裏。
例えば京都が4バック(実質2バック)できたら、正直マリノスの前線のスピードなら、ロングボール一発でもチャンスは作れると思う。

青人:
おお!それでいけそうですね!

赤松:
でも、きっとこれはケヴィンがやりたいことではないんだよ。
速く攻めるってことは、速く返ってくるってこと。必然的にオープンになって、リスクが生じる。

青人:
いやでもこの試合は勝たないと!!
前節負けちゃったんだし!

赤松:
そう!おっしゃるとおり!
この試合で負けることは許されない状況なんだよね。
だから、目先の白星を確実に拾いにいくことも十分考えられる。ここはケヴィンがどっちを選択するか、注目だね。

青人:
ここは目先の白星を取りに行くべきです!

赤松:
ただ、京都の出方次第でもあるんだよ。

青人:
どういうことですか?

赤松:
個人的に、この試合は3バックで臨んでくると思ってる。
前節の広島戦の後半戦で広島の前線の質を消しつつ、前への圧力を強めることができたから。あれは彼らにとっての成功体験だと思う。

青人:
そんなによかったんですか?

赤松:
前半の殴られっぷりと比較すると、かなり持ち直したんだよ。
DFラインの背後を消すことができたし、広島にボールを持たせたところから高い位置で奪ってショートカウンターも打てていた。総じて長い時間を敵陣で過ごせたのがあの時間帯で。

青人:
なるほど。

赤松:
直近でそういう構図が作れたことに対する自信と、あとはマリノス相手ってところ。
スピードのある3トップにハイラインの裏を自由に使われることは避けたいだろうし、せめて同数で守らないとさすがにしんどいって思考が働くんじゃないかと思うよ。4バックでも裏のケアはできるけど、それだと右サイドバックの白井が攻撃参加できないとか、京都にとっては本末転倒な事態を招いてしまうところがあるから、かなり工夫が必要になるかな。

青人:
そりゃそうですよね。そのあたりを加味すると、3バック予想って感じですか?

赤松:
うん。そうだと思ってる。

青人:
過密日程下のアウェイ3連戦ってかなりキツかったと思うんですけど、ここから再スタートしたいですね!

赤松:
間違いない!久々のホームで難攻不落の三ツ沢だからね!
勝とう!



To Be Continued・・・

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