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【世紀の大天王山】日本vsサウジアラビア【プレビューのリハビリ】

【サウジアラビアについて】

非常に攻撃的なチームである。

足元でつなぐことをベースとして、前線に人数をかけて攻撃する。チームとしてやりたいフットボールがあり、そのために年月をかけて積み上げてきたことがよくわかる。

特徴は2点ある。

一つは、サイドバックの攻撃参加だ。このチーム、とにかくサイドバックが高い位置をとる。敵陣でポゼッションする際は、ほぼ毎回最前線まで両サイドバックが上がる。

特に、左サイドバックのNo.13 アル=シャハラニはインサイドでのプレーもこなす現代型。ACLでアルヒラルの試合を見たことがあれば、特徴的な髪型も相まってご存じの方も相当数いるのではないだろうか。

サイドバックが積極的に攻撃参加することで前線にかける人数が増える。よって、厚みのある攻撃になる。
サウジアラビアの攻撃的なサッカーは、サイドバックの攻撃性によるところが大きい。


二つめの特徴は、サイドハーフの特徴を活かした攻撃だ。

スタメン出場が予想される右サイドハーフのファハド=アル=ムワラド、左サイドハーフのサレム=アル=ドーサリは、テクニックとアジリティに優れて時間を作れるタイプである。先述したサイドバックの攻撃参加を促すタメを作り、その気になれば独力で局面を打開することもできる。

日本では知名度は高くないが、アジア屈指の実力派アタッカーだ。

サウジアラビアの2つの特徴をまとめると、サイド攻撃に強みのあるチームということになる。サイドバックとサイドハーフ。おそらくチーム内の約束事は、レーンの棲み分け等非常にシンプルではあるが、能力の高い選手たちが近い距離を保ちながらリスクを恐れず人数をかけて攻めるところに強みを持ったチームだということがわかる。


しかし、リスクテイクとリスクヘッジのバランスの狭間で隙を見せることも多いのがこのチームの特徴である。
特に、サイドバックの攻撃参加は諸刃の剣である。

両サイドバックが攻撃参加をすることによって空くサイドのスペースは、相手チームにとっては格好のカウンターの起点。
サウジ予習の一環として見た前節のオマーン戦においても、度々サイドバックの裏のスペースからカウンターを許す場面があった。


【試合の展望】

予想スタメン

では、そんなサウジアラビアを相手に日本はどう戦うか。

ここでは、3つのポイントに分けて試合を展望する。


~①この試合の意味合い~

ワールドカップ出場をかけた大一番、日本にとってはホームで首位を迎える超絶怒涛の大大天王山。相手は難敵ではあるが、勝利が必須である。

ホームコートアドバンテージも相まって、相当テンション高く試合に入るのではないだろうか。

一方のサウジアラビアは、現在2位日本と4pts差をつけての首位。
アウェイで迎えるこの試合を、彼らは負けたくないと考えているだろう。
そうなれば、リスクとの向き合い方にも変化が生じるかもしれない。平時は主導権を握り、高い位置を取るサイドバックはこの試合でどんな立ち位置を取るだろう?一つひとつのプレー選択にもいつもと違う何かが表れてくるのではないか。

ここに、両軍の試合に対するモチベーションの違いが見え隠れする。

試合の立ち上がりは、この試合の再注目ポイントである。


~②サイドに蓋を~

先述した通り、サイドに起点を作って攻めてくるサウジに対して、日本はどのように対処するか。

ポイントは、サウジアラビアのサイドハーフに仕事をさせないことである。右のムワラドと左のアルドーサリ、彼らにボールが入ったとき、サイドバック、インサイドハーフ、ウイングの3人で囲んで時間とスペースを与えないことが重要になる。

前節対戦したオマーンは、サウジのサイドバックとサイドハーフをマンツーマンで捕まえることを徹底し、前半はサイドからほとんど糸口を与えなかった。
サウジは、トップ下やボランチによるサイドへの関与・サポートの意識が希薄で、前半30分ごろに痺れを切らしたベンチが、トップ下のアル=ナジェイを下げ、2トップに布陣を変えていた。

ここから学べるのは、日本の強みを活かしてサイドに蓋をすることがサウジ攻略のカギだということである。


~③トランジションを制す~

サウジアラビアは、カウンターがあまり得意なチームではない。大前提として足元でのプレーを好む選手が多く、広大なスペースがあっても全体を押し上げることを優先する傾向が強い。
(ただし、右サイドのムワラドは別。単純なスピードだけでなく決定力もある。サウジのカウンター担当)

逆に、日本の前線は、速攻に強みを発揮する選手が多い。特に両ウイングの伊東純也と南野拓実の特徴を活かすならば、速攻で攻めきってしまうのが得策である。サウジアラビアとの相性も良く、今の日本の強みが最も発揮されるチャンスメイクの方法でもある。


試合展望における3つのポイントを総合して考えると、日本が優位に立てる勝ち筋はたしかにある。


【注目選手】

伊東純也 vs ヤセル=アル=シャハラニ

日本の右サイドをめぐる攻防がこの試合の注目ポイント。

左サイドバックのアル=シャハラニがどれくらい高い位置を取ってくるか、伊東純也がどれほど素早くプレスバックできるか、日本がボールを奪った後のポジティブトランジションの局面において、伊東がクオリティを発揮し、ゴールを奪えるか。

この試合を左右するのは、日本の右サイドvsサウジアラビアの左サイドということになるだろう。
ここで主導権を握った方が優位に試合を進めているはずだ。


【さいごに】

おそらくハイテンションで試合に入る日本としては、立ち上がりで差しきりたいところだろう。理想を言えば、前半30分で試合を終わらせたい。

一方のサウジアラビアの視点に立つと、試合をいかに落ち着かせられるかが鍵になる。行ったり来たりのオープン展開ではなく、攻守がはっきり分かれたスローテンポに持ち込みたいはずだ。そのために、時には日本にボールを持たせるのもあり。

彼らがどこまで自分たちのスタイルにこだわり、それを捨てることができるかどうか。ここは見どころになりそうである。


とにかく勝利のみが求められる一戦、みんなで応援して必ず勝とう。

ガンバレ!ニッポン!!





というわけで、プレビューのリハビリでした。笑

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