見出し画像

2023/9

・1〜2年くらい前、自分のクラスの子が休み時間になる度に読んでいた『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著)が気になっていて、いつか文庫化したら読もうと思っていた。本屋さんで平積みしていたので買って、今読んでいる。が、ちょっとこれがなかなかページのめくりの進まない本で、ゆっくりでしか読めなくて苦しんでいる。

別に言葉が難しいわけでもないし登場人物の関係も何もややこしいことはないのだけど、取り扱っているテーマが重くて、感受性を殺さないとダメージを受けそうになる。もう無理だ、しんどい!ってなって読むのをやめてしまい、次の日に少し読んでまた同じように苦しくなってやめ、を繰り返していたら読書ペースが停滞してしまった。

タイトルから、深い青色の、おおらかで心地よい水の感覚と爽やかさを勝手にイメージして読んでいたのが、本来の姿は現代の社会問題全部盛り大出血サービス。見過ごすに見過ごせない問題たち、どうしてもめちゃくちゃ考えながら読んでしまうヘビーさ。

セクハラ、よそ者差別、虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、トランスジェンダーへの無理解、DV、軟禁、自殺、などなど。もう、やめたげてよぉ!ってなって辛くなり、本を閉じてしまう。

でも、あと少しで読み切れるので、向き合いたい。


・読書が停滞しているのは何も内容のせいだけではなくて、新たに刺繍をし始めたから。子どもの頃から好きでよくやっていたクロスステッチをまたやりたくなって、キットを買い、時間を見つけてはチクチク縫っている。

季節外れだけども今はサンタクロースの絵柄を縫っていて、完成が楽しみ。12月に入るまでに完成を目指している。

刺繍をする時は単純な手作業になるので、暇している耳にはラジオを聞かせる。radikoで遠い地域でしか聞けない番組を聞いてみたり、NHKラジオで広告のない快適さを感じたり、ポッドキャストで気になったものを聞いてみたり。これも明らかに読書停滞の原因。ラジオ、めちゃくちゃおもろい!

特に芸人さんのトークを聞くのが好きで、もっと早く知ってたら良かった〜と感じる番組も多いほど。何かオススメがあったら教えてください。そのうち落語とか聞き始めるかもしれない。


・最近、上司が異動になって入れ替わり、仕事に少し変化があった。今までお世話になった人もとても素敵な上司だったけど、新しい上司は年が近く、無駄話がなく、指示が的確で、とにかく話が端的でシンプル。良いところは褒めてくれて、アドバイスも上手い。同じ話を何度もするようなタイプじゃない。

正直、とってもありがたい。

それだと人間関係として物足りないと感じる人もいるかもしれないな。どうせ一緒に働くならフレンドリーに、もっとズブズブの関係に、っていう仲間意識強めの関わり方も、確かにメリットはあるけれど、疲れてしまうから。

新しい上司、ほんとに疲れない。すごい。相性がいいかもしれない。一緒に電車に乗る時に「話を広げて盛り上げなきゃ」と悩むこともない。互いに無言でいても心地よく、あと何駅で降りるかだけを確認する。正真正銘、仕事を一緒にするためのご関係という感じがして、距離感がちょうど良い。友達の関係でこうだったらさすがに寂しいけど、仕事上の関係なので。これでいい。

私が人と話す時、まず相手に合わせて言葉を選び、喋ろうとする文章を一旦頭の中に書き出して読み上げる感じで喋るので、喋るテンポが速い人との会話のキャッチボールが苦手だ。

丁寧に話そうとすればするほど修飾語が増えて説明が長くなるので、「文章を書くのは苦手だから喋ってしまった方が速いし得意」なタイプの人からは鬱陶しく思われやすい。

昔はもっとちゃきちゃき喋ってたはずなんだけども、働くようになってからそうなってしまった。

そんなふうに悩みはするけど仕方ないので書き言葉優先の脳はそのままにしてある感じ。今回出会った上司のように、「会話が最小限で良い」人に対しては、もう本当に足向けて寝られないくらいありがたい。頭の中に書くことを初めから少なくして大丈夫という安心感が生まれるので、会話がダラダラすることなく、かといって内容が不足することもなく、報連相が上手くいく。う〜ん、ありがたい。

個性だし悩まないよう気にしないようにしようとは思うけど、それでも話し始める前に文章を頭の中で考える時の執筆時間が長いと、会話の相手に待たれてしんどい。いいからはよ喋って!みたいな圧を感じると余計に言葉を探してさまよって帰ってこられなくなって社会に適合できなくなって終わる。いいのよ、それでも。いよいよ喋れなくなったら私は口をつぐんで文章を書こうと目論む。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?