青い扉04

 梅雨になったのか雨の日が続くようになり、そうなると公園のブランコの下の水たまりに水路をつくりシーソーのところの水たまりとつなげたり、泥団子を作ったりで忙しくなる僕らだが、流石にザーザー降っている最中は竹田くんの家で待機せざるを得なかった。いつものように平井と竹田くんがゲーム、僕は窓際で漫画雑誌を眺めたり隣の棟を眺めたりしていた。遠くに救急車のサイレンを聴きながら。

「えっ!救急車停まった。マサヨちゃんちゃうよな⁈4階のばあちゃんとか?」
胸がギューっとなって手が冷たくなった。ゲームやってた2人も窓から顔を出して下を見たり、2階のマサヨちゃんの部屋を見たりし始めたが、
「下に降りて見よ!」
と平井が叫んで、僕らは玄関にすっ飛んで行った。

 マサヨちゃんだった。普段から青白い顔だが、真っ白な顔でストレッチャに乗せられ、お母さんが同じように白い顔で付き添って階段を降りてきた。僕らは急にしてはいけないことをしている気になり、一階の階段室に隠れた。素早くドアが閉まり救急車は走り去った。2階のベランダを見上げると、マサヨちゃんの青いバンダナが手を振るようにはためいていた。

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