古いノートPCのハードディスクをSSDに交換

4~5年ほど前のノートパソコン、ASUSのVivoBookです。日頃はデスクトップパソコンを使っていますが、あいにく手持ちのデスクトップパソコンにはカメラとマイクがついていません。ネットでの飲み会ではマイクとカメラが必須です。急遽この旧式パソコンを引っ張り出して、使うことにしました。
 
問題なくWindows10が使えますが、CPUとメモリがロースペックなので、動きがかなり重たい。調べてみますと、このパソコンのメモリは、基盤に直付けしてあり、増設はできないようです。それで現時点で実施可能なこととして、ハードディスクHDDを高速なSSDに交換してみました。
 
ハードディスクの中では、記憶媒体の磁気円盤が高速回転しており、それに機械的にアクセスして読み書きをします。原理はカセットテープと同じですが、そのかわり非常に高精度です。分解能は、銀座の和光の時計台から、地上に置いた新聞の文字サイズを読み書きするくらいです。しかし、それでもCPUの速度に比べると動きが遅い。パソコンの使用中には、どうしてもハードディスクへのアクセスがネックになって、パソコン自体の動きが遅くなります。一方、SSDは、磁気媒体ではなく、電気的なメモリを使うものです。高速なUSBメモリの大規模版と考えても良いでしょう。ハードディスクのような機械的な動作が無いので、非常に高速です。ハードディスクをSSDに入れ換えるだけで、パソコンの性能が改善されます。
 
【1】写真はパソコンのネジを外して、ハードディスクを取り外した状況です。その後作業が詰まっていたので、写真を撮り忘れていました。今回の写真はこれだけです。
 
【2】ハードディスクを取り出して、中身が全く同じ「クローンディスク」を作ります。クローンディスクの作り方はいろんな方法があります。例えば、Windowsの専用ソフトでもクローンディスクを作成できます。使い勝手はよい。しかし、作業中に何らかの不具合があって一旦ストップしてしまうと、すべてが壊れてしまいます。元にも戻られないし、Windowsも壊れて起動できない。ディスクも復旧できません。以前専用ソフトのせいでWindowsのブートローダーが壊れたという苦い経験があるので、今回は使いません。
 
少々面倒ですが、安全策でubuntu(LinuxのOS)上のddコマンドで、ハードディスクの中身をその構造ごと地道にデッドコピーします。(なお、ubuntuのインストール手順については割愛します。)手順は、ubuntuを起動後に、usb接続のハードディスクケースにもとのHDDと新品のSSDを繋ぎます。作業前に、ディスクやgparted等のソフトで外付けディスクのデバイス名をしっかり調べます。今回はもとのHDDが「/dev/sdd」、新品のSSDが「/dev/sde」でした。
 
【3】複写は、アプリの「端末」を広げて、以下のコマンドを入力します。if=もとのハードディスク、of=新品のSSDで、bs=1回あたりのコピーサイズです。この例では、デバイス名/dev/sddを、デバイス名/dev/sdeに丸ごとコピーし、1回あたりのコピー量は512MBずつ複写します。確実に複写する場合はbs=512(バイト)とします。conv以下のオプションはおまじないです。

sudo dd if=/dev/sdd of=/dev/sde bs=512M conv=sync,noerror
 
ハードディスクの内部をすべていちいち複写します。作業時間は数時間かかります。なお、進捗状況は、このままでは分かりません。別の端末を開いて、以下のコマンドを入力して、例えば20秒おきに複写量を表示させます。

sudo sh -c 'while true; do killall -USR1 dd; sleep 20; done'
 
【4】複写元と複写後のディスクのサイズが違う場合は、GPTテーブルの整合性がとれません。使用中に何らかの不具合が起きるかもしれません。そのため、以下のgdiskコマンドで、第2テーブルをディスクの最後尾に移動させます。

sudo gdisk /dev/sde

そのあと、画面の質問事項に対してx(エキスパートモード), e(GPTテーブルを末尾に移動), w(書き込み), Y(es)と入力して終わりです。一応これで、いままで通りにちゃんと起動できる「高速なクローンSSD」が出来上がりました。
 
【5】ディスクのパーティションの拡張:ubuntuのアプリ「gparted」、あるいは、Windowsの「Partition Master Free」等でディスク領域を広げることができます。この作業は後ほど実施することで、今回は飛ばします。
 
【6】もとのパソコンの中にSSDのクローンディスクを入れて、パソコンをもとの状態に戻します。設定等については何も変更する必要はありません。スイッチをONで従来のまま使えます。
 
SSDに変更したことにより、起動時間が5~10秒くらいになりました。「まあ十分なスペックかな?」と思います。あとで、ディスクの領域を広げます。SSDのアクセススピードは十分高速なので、仮想メモリが有効に機能します。コントロールパネル→システム→システムの詳細設定→パフォーマンス→詳細設定→仮想メモリ→カスタムサイズで、SSD上に大規模な仮想メモリを設定しメモリサイズの不足を補います。

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