「芸名」でステージに立つこと、恋から愛に変わること

XIIX presents Eleven Back
w/ 秋山黄色

いつか、斎藤宏介が「若き天才」と名付けた彼と対バンする日を待ち望んだ。
自分たちがやりたいことを詰めることに重きを置くXIIXが秋山黄色を招いた。

否応なしに、どちらのターンも剥き出しな愛ある破壊を見た。

秋山黄色
特に、何か言葉を発することなく始まったcaffeine

なんだか、この日の黄色は面構えが違った。

XIIXのファンを前に「１曲でも刺さってくれたら嬉しい」と言っていた黄色に対して、秋山黄色を元から知っていたこと、イレブンバックに行くことを決めたのが相手が黄色だと分かったからという私情を自慢したくなった。
秋山黄色が撃ち落とすロックが投下される世界に居れる間の私は兎にも角にもハッピーハッピーである。

ここから本題
「ステージ降りたら９割嘘」と言っていた。
黄色自身が好きだという音を出して素性を見せてくれるステージでの彼と、秋山黄色としてステージで胸張れるように新しい音楽を制作するその過程での彼が、９割正直で居てくれたら良いなと思う。
多分、彼はステージを降りたらもう秋山黄色ではない。本名に戻る。別に黄色としての世界観を作っているわけではない。なぜなら、切羽詰まっている日常の話は本名の彼の話だと分かっているので。

多分、9割嘘というのは、本名の彼の話で、秋山黄色としては９割正直者だと思う。というかそうあって欲しいとすら思う。
某ラッパーが言った、本名を捨てたいと言う話。
今やっと分かった気がする。本名で不特定多数に向かって自分を晒していると、しかも自分の根に近いものを発信している場合、24時間365日、クリエイターであることを頭から消すことはできない。
ファンからすれば本名で活動してくれた方が日常という名の親近感もあるし人間性にも踏み込みやすくてなんだかありがたいまであるが、演者からしたらかなり不健康だなと。
無意識に、なんの気無しに、私生活にまで潜入できるというのは。名前ってそれほどその人を映す鏡なんだな。
だからステージを降りた黄色のことはわからない。私が知っているのも、応援しているのもステージ上の秋山黄色。ただ、彼は名前は違ど、日常と乖離させることはしない。
どれも、秋山黄色が日常の本名の彼に向けたエールだ。同じく3月に秋山黄色をBBBにて見た。その時、私は「これは俺であり、お前の歌だ」と思っていてくれたらと書いたが、マジで「俺」の歌なんだなあ。
イレブンバックでは「お前がどうしようもない時に俺の歌が側で鳴っていたら」と言っていたし、「お前の」歌でもあるよねきっと。
曲が良ければ本人のことは別に気にしないなんてリスナーにはなれないんだよな。
私にとって、見た目も中身も名前も全て、その人と対峙するにあたっての名刺だからさ。


最後、足りねえ！と一曲追加したクソフラペチーノを通して、魂でぶつかる黄色には走り回ることでしか感情を昇華することはできない、さすがに走らせてくれ！という気持ちでした。

そうして、始まったXIIX

足りない　足りない　足りない　足りない　足りない　足りない　足りない　まま

月と蝶 / XIIX

無事、斎藤宏介さんに代弁していただけたので、満足した精神状態でXIIXを見て、XIIXと共に超時空へと飛び出していきました。

XIIXには、どうしても敵わない壁があった。
例えば、“ZZZZZ”には毎回打ちのめされて、ギターソロでひれ伏す始末であったが、初めて、やっと掌で受け止めることができた。必然的に指先に力が入った。
音楽でやり合えばやり合うほどにその真理に辿り着ける気がした。
技量の高さと、にもかかわらず音楽で笑わせてくれるXIIXが好きなわけで。こっちも全力なので、その分だけひれ伏してしまった時の墜ち具合もそんじゃそこらではない。

イレブンバック2にて、ついに対等にやり合えた気がする。ライブの度に調教されてきたのか。
やっと何かをちゃんと渡せそうだ。

というような話やらを、XIIX的に言えば、アルバム3枚揃ったから感じられたこと。つまり、XIIXに対する恋、愛を自覚したということを着地点にインスタに書いた。
今までは追いつこうと必死だったから恋で、今回はやっと正々堂々とできそうなので愛でもある。
惹かれたのは互いに”異種”だと自覚できたから。

恋は同質であることを求めて、愛は異質であることを求めるって言っていたアーティストがいた。その人曰く、ファンとの関係は”愛”だと言う。
この話を突然思い出したのが出発点。

秋山黄色の話もこちらのインスタに綴ってます！https://www.instagram.com/p/C4vLDm3xr1p/?igsh=MTIwZTlncTZkYTJ0bA==

note書くぐらい大切な曲だから嬉しかったです！