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70s UK Progressive Rock #6 【M・N・O・P・Q】

Maggie Reilly - Echoes (1992)

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 クリスタルボイスの歌姫は、オール・アバウト・イブのジュリアンヌ嬢からアニー・ハスラム、スティーライ・スパンのマディ・プライアーもそう呼ばれる。中でもメジャーではないがクリスタルボイスの持ち主としてプログレファンに好まれる人がマギー・ライリー。一般的にはメジャーではないけど、不思議な事に安売りCDのワゴンセールの中でよく見かける。500円くらいで放出されてる。

 1992年リリースのファーストアルバム「Echoes」はキャリアから考えたら異常に遅いリリースのファーストアルバム。最初のセッション活動が1976年の無名バンド、カドベルだが有名になったのは1980年にリリースされたマイク・オールドフィールドの「QE2」。そこから「Five Miles Out」「Crises」と立て続けに参加してその美声を世間にアピールしたし、オールドフィールドも非常に気に入ったらしく、以降も似たような声の持ち主を捜して歌わせていた。あの雰囲気を聴いたらハマるのは彼の来歴からしたら納得する。

 そんな彼女のセッションはメジャー所が少なく、せいぜいジャック・ブルースの「Willpower」、「Sister of Mercy」がある程度で他はマイナー所。最初にリリースされたソロアルバムが1992年だから、これらのセッション活動は全て終わってからのアルバム制作。もうちょっと早い段階で一枚出しても良かったと思うが時の運。以降は、昨年の新作までソロ作を続々とリリースしているからそれなりに売れているのだろう。

 ファーストアルバム「Echoes」は、アニー・ハスラムのソロアルバムと同じくポップ。だからこういう女性歌手達は歌う事が主で、自分が求めるバンドの女性ボーカル像とは違う。彼女の場合は元々セッション歌手なので当然何でも歌えるからしょうがない。そうすると彼女の音楽性と自分の好みが合わないので、合わなかったとなる。そうするとマイク・オールドフィールドの才能が際立ち、彼女の才能をフルに引き出している感じ。このソロアルバムではそこまでは見受けられない。単なる綺麗な女性ボーカルになってる。これが嫌いかと言われるとそうでもないし、当然歌は上手いし曲も悪くはないので、気持ち良く聴いていられる作品。そういう音に出会えたのでソロ作品を揃えても良いと思う。今のところそこまではいってないが。

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