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Depeche Mode / Japan : David Sylvian

Depeche Mode - Construction Time Again (1983)

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 80年代に出て来た本物のバンド郡といわゆるエイティーズと後に呼ばれる売れ線バンドの違いは当時MTVでPVを見ているだけでは判別出来なかった。音を聞いてもその差は分からなかった。その違いは何だったか。もしかしたら何も違わなかったかもしれない。普通にバンドで仕事をこなしたか出来なかったか、商品に成り切れたか否かだ。今回ディペッシュ・モードのPVを見てもDuran DuranやTears for Fearsとの違いは分からない。同じような路線と思えるし、見ててもそういうルックスとファッション。それが後には伝説的な、そしてインダストリアルデジタルポップの英雄バンドに君臨して今でも慕われている始末。不思議だ。

 そのDepeche Modeの1983年リリースの3枚目のアルバム「Construction Time Again」。正にエイティーズど真ん中のリリースなので、PVも作られてる。見れば言わんとしている事を理解してもらえるだろう。PVのイメージは重要だ。そこを無視してアルバムを聴くだけなら、こういったサウンドの新鮮さは素直に伝わってくる。ただ、他にもこういう音を出してたバンドはチャートにいたし、それがディペッシュ・モードだったかどうか定かな記憶はない。多分そうだ。リアルタイムではまるで好まない音だったので記憶から排除されているし、そこまで探求してなかったから。今になって聴けば時代はあるものの、革新的な取り組みは分かる。それが面白いか、とのレベルにはまだ到達できていないが、これもロックの在り方。

 陰鬱なボーカルにひたすら鍵盤サウンド、ノリを一切排除したリズムだけのドラム。タム回しすら最小限で、シモンズ的なパーカッシブな音が鳴らされる方が多い。ベースはゴリゴリ的で自己主張は強いがフレーズ自体はそこまでではない。ロックよりも知性あるバンドに聞こえる。本作のサウンドスタイルはインダストリアルを混ぜ合わせているから単調に聞こえるが、出そうとしているパッションは相当に高く熱いものだろう。そこに惹かれるとパンクと同じ香りが理解できる。聴くとついのめり込むのが不思議。そうしていつしかディペッシュ・モードを何枚も聴いている。

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