EL&P solo: The Nice, Emerson, Greg Lake, Carl Parmer

The Nice - The Thoughts of Emerlist Davjack (1968)

　いつまでこのヘンのロックネタがあるだろう？お付き合い頂いている読者の方もそれぞれに多種多様聴いているだろうし、このヘンのロック好きな人も多いとは思うけど、これだけ書いててもまだ書いてないと思うアルバムが多数ある。全部のアルバムは書き切れない程のレコードがリリースされているから当たり前だけど、70年代ならまだ自分のテリトリー内で大丈夫と思ってた。それでもまだ出てくる。それから40年以上経ってて、どれだけアルバムがリリースされてるのか。

　Nicoからは一文字違いで聴いたThe Niceの「The Thoughts of Emerlist Davjack」。1968年リリースのThe Niceのファーストアルバムで4人編成時代、キース・エマーソンのオルガンは普通に鳴ってます。ここではまだギタリストのDavid O’Listもいるので、ギター対鍵盤の構図が聴けるのがかなりポイント高くて楽しめる。音楽的には基本サイケ時代なのでそんなエフェクトや音楽で構成もそんな感じなのが多いけど、上手いから聞きやすいしロックしてる。ギターの音色もこの時代特有のファズギターで割と好みなのでキース・エマーソン云々に囚われずに聴けるのがありがたい。鍵盤だけでロック出来ちゃうエマーソンではあるけど、こうして対等にギターが鳴ってる中でのエマーソンもそうそう聴けない。

　アルバム全編を通して言えるのは慣れもあるからだけど圧倒的に「Rondo」です。EL&Pになってからもライブ定番曲だったし、エマーソンの傑作。それがここではギターとのバトルも入ってて、ファズギターによるバッキングも入ってのロックチューンに仕上がってるのが斬新。この時代のこの音はかなり強烈だっただろう。エマーソンが大人しいと言えども、圧倒的な存在感です。昔はそんなに面白味のないバンドだと思ってたけど、今聴くととんでもないバンドの予兆がたっぷりとしてて、EL&Pの整然とした音とは異なる、ぶっきらぼうな部分もあっての楽しみが良い。EL&Pを待たずしてもこのあとThe Niceからこのギタリストは抜けてしまうから、このアルバムはかなり貴重な瞬間を捉えている。

The Thoughts of Emerlist Davjack +3