Rory Gallagher #2

アイルランドの熱血ギタリスト、ロリー・ギャラガー

Rory Gallagher - Against The Grain (1975)

　熱血のギタリストと知られていて、その実アルバム的にはどれが名盤か知られていないロリー・ギャラガーは、やはりライブ盤がオススメ。逆にアルバム単位でしっかりと聴いた事が少ない。そう思ってここのところ最初期のアルバムからずっと聴いてて、ライブの熱さとは違うが、スタジオ盤もそんなに変わらずに白熱していると改めて気づいた。

　一般的な名盤は「Tattoo」やその後のライブ盤「Irish Tour '74」。確かに凄くかっこ良いのでまた今度書くとして、その後の1975年リリースの「アゲインスト・ザ・グレイン」がかなり良い。相変わらず一発勝負の曲が多くてギターリフも単調ながら、どっからどう斬ってもロック。当たり前だが。そのロックさがスカッとしていて気持ち良いし、リフ一発で攻め立ててくる曲からちょいとジャジーに哀しげな曲で、アイルランド的すぎない風味で良い味出してる。そしてスライドを多様した思い切りブギなヤツなど、目の前で見てたらノリまくること確実な曲ばかり。

　ロリー・ギャラガーは独特の人だとつくづく思うけど、これくらいのロックンロールとブルースを弾く人は多分他にいくらでもいるし、皆熱血に弾いて歌ったりする。歌が上手い程でもないし、曲が凄く良くもない。果たして何が彼をここまでカリスマにしているのかと考えると不思議。性格的にも気さくで優しげな人で、着てるのはチェックのネルシャツ。ギターはハゲハゲで好きの分かるが、多分凄く普通の人で、とにかくギターが好きでブルースが好きなだけ。ロックミュージシャンに多いけど、ここまでカリスマになるのは白熱してるからか、単純に成り切れるのか、そういう熱さが良いのだろう。ライブだと良いのは生々しく伝わってくるからだ。スタジオ盤では収め切れない味だ。しかし、この「アゲインスト・ザ・グレイン」はかなり生々しいから良い。大音量で聴けばどのアルバムも響くかもしれない。

　ジャケットもハゲハゲのギターの印象が強いけど今のCDは異なっている。オリジナルか、それとも未発表ジャケかアメリカ盤か。ボーナストラックも付いて紙ジャケでも出てるし、まだロリーは自分的に追求できる人なのでおいおい楽しみにしている。

アゲインスト・ザ・グレイン+2