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Renaissance #2: Annie Haslam, Illusion

Renaissance - Azure D'or (1979)

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 1979年にリリースされたルネッサンスの「AZURE D'OR - 碧の幻想」は当時驚きと諦めを持って迎えられた。あの壮大なクラシカルオーケストレーションと共に美声を響かせた新機軸でのロックバンドのなれの果ての姿がここにあるから。その筋からはポップ化したアルバムで、これで終わったと言われており、昔から聴いているとそう感じるのは否めないが、これはこれでかなり良質なポップスじゃないかとの向きもある。最初に聴いたアルバムが「AZURE D'OR - 碧の幻想」だったら入り口としては良いし、多分ずっと好きな作品だろう。それ以外で「AZURE D'OR - 碧の幻想」を聴く要素はほとんどない。ルネッサンスを知れば知るほどその機会はやってこない気がする。

 アルバムの位置づけはそうだけど、ひとつの作品として聴くと良く出来てて、飽きないカラフルなポップ楽曲から、お得意のクラシカル風アレンジによる凝った曲もあって、演奏もその筋だからポップの中でやれば面白く出来る。アニー・ハスラムが歌うからしっとりと上品な楽曲に仕上がるし。後のエイジアが大成功した事を思えばこの路線は悪くなかった。ELOの雰囲気も近いから作品としてはジャケットも綺麗だし酷評されるほどのアルバムではなく、面白くも異色で80年代の綺羅びやかさを予見する希望に満ち溢れた作品。ルネッサンスがこれをやる必要があるのかが問題なだけ。

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