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Colosseum : Tempest : Colloseum II

Colosseum - For Those Who Are About to Die We Salute You (1968)

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 ロックな連中が奏でるジャズとジャズな連中が奏でるロックとは大きな隔たりがあるが、時代の産物の中にはそういう枠組みを無視した本当のジャズロックがある。ブルースロックとの境目もこれまた難しくて、結構ごっちゃになってるのも面白い。英国のメジャー級からC級までその法則は当てはまる。そんな中でも最高峰にブルースジャズロックと全てを包括したバンドがColosseum。残念な事に普通のロック王道バンドに比べると随分と地味な存在に甘んじているが、残されたアルバム群はどれも秀逸なロックエッセンスを感じる独特の音色の作品ばかり。きちんと聴くと楽しめる間違いない傑作。

 結構好きなバンドで、インパクトとしてはLed Zeppelinの「幻惑されて」を見たいがために当時画像の悪い海賊盤で見た「Supershow」の冒頭に入っていたから、Led Zeppelinよりも先に凄さを体感したバンドです。ただ、その後すぐにLed Zeppelinの凄まじさに驚愕たけど。なので、割と早い時期に出会って衝撃を受けたバンドだったのは良かった。ただ、そこからが大変で、レコード探しても簡単には手に入らなかったから、聴き始めるにはもっと時間がかかりました。

 1968年にリリースされたファーストアルバム「For Those Who Are About to Die We Salute You」は聴いたアルバムの中では遅めに手を出した。Colosseumを後追いの人が聴く順番は恐らく「Live」「Valentyne Suite」「Daughter of Time」が先だろう。だからファースト「For Those Who Are About to Die We Salute You」はその凄さを知った後に聴くが、これが最初からとんでもなくヘヴィなナンバーや即興演奏で、全く70年前後の熱いロックエッセンスをそのままパッケージしたアルバム。コード進行はブルースから拝借しているけどアレンジやアドリブは完全にジャズと同じだからクリームとニアリーな手法だった。ただ、Colosseumの場合はDick Hecktall-Smithがいたからサックスの比重が高いし、Dave Greensladeもいたので鍵盤の比重も高かった。その分クリームよりもバリエーション豊かなアドリブ合戦が聴ける。その分バンドアンサンブルに気を使うけど、それが凄い緊張感を出していて手に汗握るプレイを楽しめる。それでもアルバム中では一曲4~7分あたりに纏めているので聴きやすさはある。これ以上激しさを求める人は「Live」をオススメしますが、まずは「For Those Who Are About to Die We Salute You」で触りをどうぞ。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪