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Cheap Trick

Cheap Trick - Cheap Trick (1977)

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 70年代アメリカンロックの流れからするとかなり異色な部類に入るけど、それでも70年代アメリカのロックバンドの称号を獲得しているチープ・トリック。特に日本に於いてはクイーンと共に日本から人気の出たバンドでバンド側も日本には思い入れがあるようだ。しかし当時の少女達はそういうバンドには目ざとい確かな眼力を持っていた。

 1977年にリリースされたチープ・トリックのファーストアルバム「Cheap Trick」。ギタリストのリック・ニールセンは既に当時は名の知れたギタリストだったが、メジャーを制覇できるほどのギター弾きではなかったためか、自分のバンドを大事に育てたかったからか、ジョン・レノンのアルバムレコーディングの話を断ったとか。1977年と言えばもうエアロスミスやキッスが大ブレイクしていて、その前座でツアーを回っているので、ちょっと後輩だけど、音的にはキッスと狙いが同じだったか。

 ファーストアルバム「Cheap Trick」は凄い意欲と実験精神に溢れていて、普通にアメリカンロックと軽く言い放てるレベルではなく、全然真逆のアグレッシブな作曲と演奏による取り組みが分かる。後に聞かれる軽快なメロディやおふざけ的なR&Rは出てくるけど、それよりも器用に展開してる。「Taxman, Mr. Thief」は凄い曲で驚いた。昔聴いた時は地味と思ってどうしてもセカンド「蒼ざめたハイウェイ」や「天国の罠」を聴いていて、ファースト「Cheap Trick」のこのアグレッシブな取り組みに気付かなかった。

 その分チープ・トリックらしい軽快なサウンドと違う聴き心地もあるので異質なアルバム。ジャケットもルックスを気にせずに全員平等に扱っているのも珍しい。

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