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70s U.S. Hard Rock #1

Angel - Angel (1975)

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 時代が流れて古き良きものや当時は斬新過ぎて理解されにくかったバンドが評価されるようになってきて、それは結果論としてCDの再発や発掘などでリスナーたちが目ざとく見つけて再評価されている。一方では当時それなりに人気があったけど全く今じゃ相手にされない懐メロバンド的に語られる程度にしかならないバンドもあって、その差はなかなか微妙なラインと。アメリカのバンドは特にその扱いがはっきりしているし、後追いのものはほとんど追ってないから知らない、そこまで魅力なかった。だからエンジェルもほとんど知らずに過ごしてバンド仲間に聴かされて面白さは堪能したが長々と何度も聴いてはいない。キッスからそんなエンジェルを思い出したのでふとファーストアルバム「Angel」。

 1975年にリリースされた記念すべきファーストアルバム「Angel」は商売上手なジーン・シモンズによりシーンに仕掛けられたバンドの音で、イメージから音まで当時は売れる要素を備えたバンドだ。そして音楽性もかなりプログレッシブで面白いハードロックで、ジェフリアの鍵盤が荘厳さを奏でている事で気品もあったし湿っぽい音を出しているから英国ロックファンは受け入れられたと思う。今回聴いて、最初の方の流れはかなり革新的斬新的な音世界で素晴らしいと思うばかり。でも、何度も聴こうと思う魅力に欠けている。

 デビュー・アルバム「Angel」の大物ぶりは楽曲の練り具合とアレンジ。クイーンの二番煎じ的な気品が大きいが、時代はもう求めていなかった。ラモーンズが地下で腕をふるい、ピストルズが産声をあげようとしていた時代にゴージャスなバンドは用済みだった。そんな時代の不運さも手伝ったが、全てがミクスチャーになっている時代に並列に聴けばかなりのクォリティで楽しませてくれる。ちょっと違うけどボストンやカンサス、スティクスはこのヘンが洗練された音でもあると。それにしてもジーン・シモンズの耳は確かだ。

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