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Norwegian 嬢 Metal #1

Imperia - Queen of Light (2007)

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 ノルウェーのバンドを取り立てて探求した事もないが、21世紀に入ってからのロック、メタルシーンはヨーロッパのバンドの発掘と活性化、ワールドワイドシーンへの拡大とインターネットの普及も手伝って続々と日本にも情報が入り、音が聴けるようにもなっていった。一昔前ならヨーロッパのバンドは全てユーロロックと括られて、ほぼ大半がプログレだった事から思うとその情報量の変化はあまりにも過剰すぎて70年代好きからは驚くばかりだった。しかも出てくるバンドのサウンドそれぞれが個性的で素晴らしく、またヨーロッパ的エッセンスが溢れ出てくるから楽しくて仕方がなかった。その一環でゴシックメタルに取り憑かれていったものの、シーンは急速に終息し、どのバンドも衰退解散もしくは路線変更から解体と美しくも儚いままに散っていったが改めて見直してみればその混迷具合も聴けて散り際の儚さを味わえる、刹那的な楽しみ方もある。

 ノルウェー人で襲いかかられそうな美貌を誇るHelena Michaelsenがフロントを担うImperiaの2007年リリースセカンド・アルバム「Queen of Light」。このバンドはヘレナ嬢以外はオランダ人なのでノルウェーのバンドとして捉えるかはあるが、この時点でキャリアの長いヘレナ嬢が選んだメンバーがそうなった話だろうか、違和感なくバンドも何枚ものアルバムも続いているので良好な関係で進んでいた模様。期待はゴシックだけでなくシンフォニック要素も強い面で、どう融合させているかが気になったが、シンフォニックメタル、パワーメタル寄りのサウンドが色濃く、そこを襲いかかるような風貌と歌い方で突っ込んでくるスタイルで野性的。ただ、ボーカルスタイルは音の幅も広く柔らかな歌唱から迫力あるパワフルで野獣的スタイルまで使いこなす程器用なので飽きない曲調もかなり展開が多く、音色も広いのでかなりメジャーレベルに肉薄したサウンドを持ったバンド、アルバム。気になるのはレコーディングの音の軽さ薄さ音圧のなさで、プロダクションの問題が多くて勿体無い。

 文章で表すには難しいが、確かにヨーロッパ諸国の嬢メタル、シンフォニックメタルのボーカルメロディラインと楽曲のアレンジや世界観だが、微妙にお国柄的なニュアンスが異なり、オランダ風味ではあるがメロディラインの言い回し的な面はやや異なる融合が微かに感じ取れる。そこまで繊細に聞き取れないが、言われれば微妙なバランス。曲によってはオランダのAfter ForeverやWithin Temptation的でありつつメロディだけ取ればLeave's Eye的な、うろ覚えながらの感触を思い出した。このヘレナ嬢はソプラノオペラボイス的歌唱も出来るので、力強さとソフトさ、さらにソプラノと軽やかさもあるマルチスタイルでかなり最強のボーカリスト。現在でもImperiaで活動しているし、ソロプロジェクトではAngel名義でアルバムもリリースしているので安心した。いずれ取り組んでみたいボーカリスト。

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