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60s UK Rock #3

The Pretty Things - Emotions (1967)

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 The Pretty Thingsの1967年リリースの3枚目のアルバム「Emotions」。Pretty Thingsと言えば初期はガレージサウンド、そこからサイケへと進み、どんどんポップ化したバンドのイメージがあり、裏ではストーンズ関連や当然ながら60年代のジャンキーなバンドメイト達との関係なもあるけど、全然売れなくていつの時代もどこの国でもイマイチな人気加減という印象。アルバムを聴いているとそんな事もなく、どのアルバムも個性的でユニークだけど、バンドとしてはメンバーも変わってるし、バンドの出す音も変化してなかなか掴みどころの無いバンドという姿もある。だから故にシーンには出にくかったのはあるだろう。その中でもこの「Emotions」は随分な扱いで世に出された代物で、逸話がたくさんあるアルバム。

 そもそもPretty Things側はこのアルバムの基本的な姿である、アコースティックな状態でリリースしたかったようだが、レーベル側が勝手にストリングスやブラスをアフレコしてたので、何とも中途半端な出来になってしまったらしい。ところがリスナーとして聴いていると、このバランスは絶妙だなとも思うので、バンド側の意向に反してレーベルの判断したアレンジの方が好ましい。元々の楽曲の出来が良いからアレンジが多少弄られても本質的には変わらないから、もうちょっと自信持っても良いと思うがどうだろう。いわゆる60年代の歌心溢れるサウンド、サイケやガレージっぽい部分はほぼ消え去って、裸のバンドの姿が映し出されている作品。それでもロックだよ。

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