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U.S. 00s〜 Rock

The Autumn Defense - Circles (2003)

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 レコードからCD時代へ変わり音が良くなったと揶揄されたがアナログの良さも際立っていた。今度は器の話ではなくリマスターなどでCDのスペックをフルで活用できるようにソースがいじられて一旦の音質は頂点を極めた。そこからデジタルDLになって倍以上のスペックで聴けるようになりハイレゾ化へと進んでいる。ところが一般的にはCDどころではない劣悪な音質であるMP3フォーマットが今や普通の音質だ。SpotifyもアマゾンもiTunesもMP3フォーマット、AACもあるけど。それでも今度はその普及したフォーマットで如何に良い音で聞かせる技術向上となり、今じゃMP3フォーマットも聴ける音質になっている。先日イヤフォン買って、良い音と思っても結局その圧縮音源を聴く事が一番多くて、もっと良い音が出るイヤフォンと思いつつも勿体無い。ただ、それでも良い音なので楽しめるが。だからCD音源レベルは聴くが、確かに身の詰まった音は実感できるけど、MP3音源も今は良い音とつくづく。

 The Autumn Defenseの2003年の2枚目のアルバム「Circles」。バンド名が顕著に出ているジャケットを選んでいるが名前とジャケットで選んだだけで、好みではないけど馴染みやすい音世界で端的に書けばフォークグループ。しかも最近の音だから単純にフォークギターだけでなく、ストリングスやバンドの音も入ってるスタンスの作品。ありそうでなかったこの時代のフォークだからかアメリカでは昔からたくさん出てた。

 メロディセンスの違いだろうか、妙にメロディがあった昔のフォークソングとは違って結構な英国的メロディと言うのか、ディランでもなくバンド名にもある哀愁感を漂わせての秘訣。アメリカらしい部分がほとんど見当たらない珍しい空気感。Wilcoのメンバーの2名が独立してやってる。

Autumn's Grey Solace - Ablaze (2008)

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 昔はジャケ買いもあって、色々なアルバムやバンドを聴くとアルバムのジャケットを見て、自分のセンスと合うと思って中身も情報も何も知らないままにジャケットだけで買ってくるレコードもあった。好き基準よりも買った理由を自分で見つける必要があったが、それでも当たり外れがあった。当たった時は嬉しい。外れても良いとこ見つけて自分を慰めるが、いつしかあまりアテにならなくて、ギャンブルしなくなった。

 アメリカのAutumn's Grey Solaceの2008年リリース作「Ablaze」。ジャケットが強烈に訴えてくるものがあって、単に怪しげな女性が睨んでくる以上にメッセージを感じて、想像も出来ないままに聴いた。そして出てきた音に少々戸惑いを覚えながらも、世界観はアリな感触で好みの範疇。一般的にはシューゲイザー的なジャンルに入るが、ボーカルはエリン嬢で、随分可愛らしい声で耽美的に歌うから耳元で囁いてくれるような優しさを感じて、好きになるポイントが圧倒的に高い。音楽性はシューゲーザー程でもなく、ギターがキラキラしたコーラスやディレイやフェイザー系の音を駆使してレンジを広げているサウンド。その意味ではシューゲイザーかもしれない。決して明るくもないが、暗い音世界でもなく耽美的がぴったりな音。

 所々で効果音も入るけどバンドのポリシーで鍵盤を使わないのでそれ以外の効果的サウンドを駆使している。そんな細かい芸はあるものの、ど真ん中に位置しているメロディラインと歌声が圧倒的に聴きやすさを増しているからアメリカのバンドと思えない感触が個性的。英国ほどの湿り気感はないから、面白い音になってると感心。何枚もアルバム出してるから人気もある良いバンドに出会えた。

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